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「9歳長男の自己肯定感を育みたい」と悩む親に、笑い飯・哲夫が勧めた“子どもとの接し方”/がんばらない教育

とことんまでやらせるのも学習

子育ていろんな遠回りの道を知ってから導き出した近道には、喜びと感謝が生まれます。逆に近道しか知らなければ、遠回りの風景に出合えないこともあります。 そこにはきれいな桜が咲いているかもしれませんし、とんでもない樹齢の杉が屹立しているかもしれません。また、以前はどこかの家庭で使われていたと思われる椅子が置いてあるバス停に出くわすかもしれません。 とはいうものの、我が子には早いうちから背伸びの教養を授けてあげたくなりますよね。しかし人間の成長にとっては、その年齢でやるべきことを、その年齢の時期にじっくり舐め回させてあげるのも大事と思います。いつまで紙飛行機作っとんねんと憂うより、紙飛行機が楽しい時期にとことん紙飛行機を追求させるのもいい経験です。 うちの子にも、いつまでアンパンマンレジスターで遊ぶねんと忠告したこともありますが、アンパンマンレジスターの時期に、たまにはとことんまでやらせるのが学習だと思います。

ついつい大人は子どもを褒めることを忘れがち

子育て

学年が上がるにつれ縮まっていくが、生まれ月による学力差は統計でも明示されている(経済産業研究所の調査より)

こうした経験がいつか未知の航空力学となり、粋な経済学に繋がるかもしれません。とことんする前に学年が上がってしまうかもしれない早生まれの子にとっては、なおさらです。 バッティングセンターで、上手な人に打ち方のポイントをいくつか教えてもらっても、しばらくするとその一つを忘れていたりします。同じように、子育てにおいても重要な箇所が多すぎて、ついつい大人は子どもを褒めることを忘れてしまいます。子供は確実に褒められ足りていません。 桜の花びら一枚だけを目の前で観察しても褒めるところは見つけにくいですが、桜の花が咲き誇る木々を遠くから観察すると、褒め称えるところがたくさん見えてくると思います。一歩引いてみたら、小さい体で必死に剣道を続けるお子さんの優れたところも見えてくるのはないでしょうか。 桜の木々は、褒められるからいつも自己を肯定しています。「今ハゲてるだけでまた咲くし」。 ★失敗体験を重ねて少しずつ成長する姿を褒めてあげて 図版/ミューズグラフィック
’74年、奈良県生まれ。県下随一の進学校・県立奈良高校から関西学院大学文学部哲学科に進学。卒業後の’00年に西田幸治と笑い飯を結成し、’10年、M-1グランプリ優勝を果たす。『がんばらない教育』『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』ほか著書多数

がんばらない教育

格安補習塾を経営する哲夫による画期的な子育て論

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