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“観光客激減”の金沢市リポート、人気店でも「赤字ギリギリ」「気にせずに来てほしい」

「日本に行って応援しよう」台湾からの旅行客が増加

むさし口

(2024年1月15日撮影)

 話を聞けた市場関係者たちは「今は年末に仕入れた在庫があるから大丈夫。それが尽きたらどうなるか分からない」と口を揃えていた。かなざわ総合市場の入荷情報と、石川県漁業協同組合のXアカウントによれば、15日以降から徐々に能登半島からの入荷が戻ってきている模様。  金沢駅から近江町市場、ひがし茶屋街と歩いていて特徴的だったのは、少ない人通りの中でも外国人旅行客が目立つことだ。特にアジア系の観光客と居合わせる頻度が高かった。行く先々の店舗従業員も、「震災前に比べれば少ないながらも、外国人が意外と来てくれている」と語る。 「今は台湾からのお客さんがよく来てくれています。小松空港(※石川県小松市)と台湾の直通便があるので、『日本に行って応援しよう』という動きになっているようです。これから春節の時期なので、もっとたくさん来てくれるんじゃないかと期待しています」(近江町市場関係者)

中高年が集まる居酒屋の店主「赤字ギリギリ」

片町

金沢市の繁華街「片町」(2024年1月14日18時半すぎに撮影)

 昼間の市内が苦戦を強いられる中、夜の街はどうなっているのだろうか。金沢市最大の繁華街「片町」の様子を覗いてみた。  14日の19時頃、観光客に人気の居酒屋に入ったものの、客は筆者を含めて一組二名しかいない。大学生の女性従業員によれば、「予約はあるけど、ものすごくヒマ。出勤してもやることがない。周りの飲食店も、お客さんが来ないから閉めているところが多い」という。  20時を過ぎてやってきた地元の常連客が、「昨日も今日も全然人が歩いてないわ。週末やのにどこもガッラガラ」とため息をついていた。店主がこう話す。 「いつもなら三が日までは人が多くて、仕事始めにあわせていったん客足が落ち込んだあと、成人式のあたりでまたお客さんが戻ってくる感じです。今年は客足が落ちる一方なので、やはり地震の影響でしょうね。地元の常連さんは『親族が能登にいるから手伝いに行く』という人が多く、地元の人の経済には動きがない状態。  今来てくれるお客さんは、平日の仕事帰りのサラリーマンが多いですね。雰囲気はコロナ禍の最初の緊急事態宣言の頃と似ています。今回は店を閉めても国から保証が何もないから、無理にでも開けてギリギリでやっていかないといけないです」(居酒屋店主)
繁華街

居酒屋がある木倉街商店街。奥に位置する和菓子屋の店主によれば、「地震で観光客が激減した。この辺りも閉めている店が多い」そうだ(2024年1月14日18時半すぎに撮影)

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若者たちは「不謹慎だけど慣れてしまった」
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福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0

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