商品のこだわりはサイズ感
折比嘉:キャンパスノートは学生さんに馴染みがありますからね。薄くて軽量なうえ、書き味のよさに定評があるので、そこは強みかなと。商品開発にはどういった点にこだわりましたか。
清田:もちろん、パソコン前に置いて記入するのにちょうどいいサイズ感というのが第一です。各社から発売されているハーフサイズはどれも微妙にサイズが違うので、本当に使いやすいのがどのサイズかについては悩みました。
折比嘉:コクヨさんのハーフサイズはちょうどB5ノートの半分サイズになっていますよね。普段キャンパスノートを使っている人にとっては、横幅が揃っているので持ち歩くのに相性がいいと思います。
清田:ふたつ目のポイントは、見開きで見られるマンスリーです。卓上カレンダーのように1ページに1ヵ月分をまとめる案もあったのですが、いくつかのパターンでヒアリングした結果、見開きで1ヵ月が書きやすいという声が多かったので採用しました。
折比嘉:私は個人的に、見開きマンスリーとハーフサイズという合わせ技が効いているように思います。見開きのマンスリー自体は普通の手帳でもよくあるんですが、横長のハーフサイズでこれを採用するとひとつひとつの欄がワイドな感じになるんですよね。正寸の見開きマンスリーよりもたっぷり書けるという印象です。
清田:仕事だけでなく、プライベートの予定もたっぷり書き込んでもらえるとうれしいですね。現在ビジネス手帳の市場は下火傾向にあるため、我々はパーソナル向けの手帳を強く推していこうとしており、その方針ともマッチします。
折比嘉:同じく年度計画表も、横長効果で使いやすさが増していると感じます。年度計画表の最適解ではないかと思うほどです。私は長期スケジュールこそアナログで管理すべきだと思っているんですよ。
清田:それは予想外の反応ですね。そんなに年度計画表を使っていただいていると思わなかったので、参考にさせていただきます。
折比嘉:清田さんが考える手帳の未来や今後の商品展開についてお聞かせください。
清田:ビジネス分野ではデジタル化が進んでいて、社内のグループウェアでスケジュールを共有することが一般的になりました。
私たちは手帳の使い方の多様化にも注目し、スケジュール管理だけではない用途として、今後はますますパーソナルに重きを置いていきたいです。
ノート型ダイアリーという入口の簡易さや、アナログで管理することのメリット、ライフログの価値などにフォーカスしてしっかり提案していければと思っています。より個人に寄り添った形での商品開発を目指したいですね。
<構成/日刊SPA!編集部>