恋愛・結婚

婚活パーティで「あなたじゃいけませんか?」。男性スタッフを戦慄させた“女性参加者”の異常行動

ビルのエントランスにAさんの姿が

 川口さんは、その夜、Aさんの不気味な形相が思い浮かばれてなかなか寝付けなかったそうです。ほとんど寝ずに出勤したそうですが、定時で仕事を切り上げ会社を出ようとした時、目を疑うような光景に出くわします。 「その日は早く帰って睡眠を取ろうと思っていました。ところが、会社のビルのエントランスにAさんが立っていたんです。しかも不気味な笑顔を見せながら……もう本当にヤバいと思いました。ストーカーの始まりですよ」  その日は視線を合わさずに小走りで駅に向かった川口さんですが、次の日も、その次の日もAさんの姿はエントランスにあったそうです。 「そんな恐怖の光景が何日か続いたある日、いつものようにエントランスに出ると案の定、Aさんの姿はありました。しかし、その日は彼女がこちらに向かって歩いてきたんです。そして『LINEのIDを教えてくださったら、もうここへは来ません』と言われました。あまりの恐怖に、早くこの場を逃れたいと、目の前のストーカーの要求を呑もうとしている自分がいました。気がつけばLINEのIDを教えていました」

もっと早く相談すればよかった…

ストーカー

※画像はイメージです

 退社時のエントランスには姿を見せなくなったAさんですが、今度はLINEで交際を迫る、しつようなメッセージが入るようになったそうです。 「この気持ち、わかる人は少ないと思いますが、LINE上でAさんをブロックすることができないんです。毎回目を通して返事をしないと余計に恐怖心が増すんです。だから、Aさんからメッセージが入るたびに目を通さないと気が済まなくなるんです。もう毎日が恐怖で……」  川口さんは、今まで会社に迷惑をかけたくないという気持ちから、自分で処理しようとしていたのですが、さすがに限界を超えてしまい直属の上司であるT部長に相談したといいます。 「包み隠さず全部話したら、以前T部長も同じような経験をしていたそうで、私のつらさが伝わったのか、弁護士を通じて会社としての意向をAさんに通知してくれると約束してくれました。仕事面でも、表舞台には今後は立たせないとも確約してもらいました」  T部長の迅速で的確な対応により、Aさんは結婚相談所を退会し、二度と川口さんの前に現れることはありませんでした。ただ、退勤時に通る会社のエントランスは、いまだに少し緊張するといいます。 <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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