更新日:2024年12月04日 19:26
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20歳で稲川会系組員となり、35歳で破門になった男が語る「元ヤクザの意外すぎる暮らし」

「忘れられる権利」の拡充が真の暴排に繫がる

“元ヤクザ弁護士”諸橋仁智氏は、「最近のニュースなどを見ると、やり直しの利く若い人が抜け、カタギになるのが困難な50代以上が組織に残っている現状が窺えます」と話す。そして、自身の経験から、元ヤクザが更生するための法整備について次のように提案する。 「政府の『犯罪対策閣僚会議』が作った『第二次再犯防止推進計画』には、『就労・住居の確保等を通じた自立支援のための取組』として、元受刑者や元ヤクザの銀行口座開設や賃貸住宅の確保などの支援を義務づけていますが、あくまでも努力義務です。 『契約自由の原則』もあり簡単ではない。そこで私は、重大犯罪は別としても、ネット上の『忘れられる権利』」について議論を深めるべきだと思います」

実名報道が更生の道を阻む?

 逮捕されたり有罪判決を受けて実名が報道されると、インターネットで拡散され、半永久的に記事が残る。それは、更生の道筋に大きなハードルとして立ちはだかる。 「特に地方の小さな街で逮捕されると、軽微な犯罪であっても地方紙に載ってしまうことがあり、それが拡散され続けます。また、就職や住居の賃貸契約に際してネットで名前を検索してネガティブな過去を調査するのが当然になっています。  口座開設の際に参照される銀行保有の犯罪者データもネット記事などから集積していると聞きます。むやみな実名報道も見直されるべきだと考えます」  不利益を受け続けて年齢を重ねると、さらなる犯罪に手を染める可能性も高まる。更生を許す社会の実現は、真の暴排に繋がるのだ。
諸橋仁智氏

諸橋仁智氏

【諸橋仁智氏】 高卒後、暴力団の構成員となり覚醒剤取締法違反容疑で逮捕。組から脱退後’13年、司法試験合格。著書に『元ヤクザ弁護士』(彩図社) 取材・文・撮影/週刊SPA!編集部
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