仕事

1ヶ月で辞めた新入社員の退職理由「変えられなかった寝る前の習慣」に困惑

一流大学出身でも「向いていない仕事は大変そう」

研修 証券会社に勤務する笠原陸さん(仮名・30代)は、新人研修で出会った同期の男性について話してくれた。  笠原さんと研修班が同じだったという彼は、一流大学の薬学部出身。当時(10年ほど前)、証券会社には文系が多く、理系でしかも薬学部というのは、あまり聞いたことがなかったと話す。 「彼はオドオドとした雰囲気で、声も小さく、人付き合いが苦手っぽいので大変そうというか……営業職には向かないのでは? と思っていました」  研修には飛び込み訪問のロールプレイングが盛り込まれていた。飛び込み先の窓口役の先輩社員が大声で怒って追い払おうとする演技をするため、新人であれば怖気づくのが当たり前の内容だったという。 「そんななかで、彼は緊張のあまり震える声で話していたし、上手くいかないだろうなと見ていました」と、笠原さんは研修中の様子を振り返る。  2か月の新人研修が終わると、同期は全国の支店に配属された。配属後は、会社のポータルサイトに新人の新規開拓や収益の成績上位が毎月ランキング形式で掲載されていたそうだが、その彼の営業成績はイマイチで、リストに名前が載ることはなかったという。 「後から聞いた話では、やはりお客様とのコミュニケーションも苦手だったようで、支店長や課長から怒鳴られることも多かったそうです」

半年後、会社の寮から失踪

 研修から半年後、笠原さんは別の同期から、彼が寮の部屋から失踪したことを耳にする。 「失踪した日の朝は普通に出社したとのことですが、外回りに出かけて、夕方になっても支店に戻らず、支店の総務担当が彼の部屋を見に行くと、荷物もなく、彼の携帯に電話をかけても出なかったそうです」  それからしばらく経っても、彼の消息はわからないまま……。 「証券会社の支店配属で新人が辞めることは珍しくありませんが、突然失踪して部屋が空だったというのは、いまだに彼以外に聞いたことはありません」 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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