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バリバリの関西弁が直らない新入社員が“なまり”を克服した秘策

 ニュースや公共の場で用いられる“標準語”とは違い、その地方独特の言語や抑揚に特徴がある“方言”は、どこか温かみがあり魅力的な響きです。とはいえ、社会に出て働き始めると、地方出身者にとっては自身の“なまり”に違和感を覚える人は少なくありません。今回は、そんな“なまり”を克服しようとしたある男性のエピソードです
サラリーマン

※画像はイメージです

有名国立大卒の関西人

 大阪にある難関国立大学を卒業し、東京に本社があるアパレル関連の企業に就職した山下さん(仮名・23歳)。彼は生まれも育ちも大阪で、上京後初の一人暮らしだそうです。 「僕、こう見えて薬学部卒なんです。親はてっきり薬剤師になると思っていたそうですが、インキャな自分を変えたくてこの会社を志願したんです。周りの同期はみんな親切ですぐに友達になれそうな人ばかりなのですが、僕みたいな理系はいませんでしたね。あと、関西出身の人も意外と少なくて、僕が話す関西弁に『あ、芸人さんみたい』と、興味を示していました」  薬学部卒の関西出身という異色な素性が同期の間で広まって、いつしか人気者になった山下さん。早速、配属された東京都下の店舗で社会人一年生をスタートさせました。

関西弁が直らない悩み

 今まで経験したことがなかった小売業での接客。山下さんは、日々新鮮な気持ちで職場に臨んだといいます。客とのコミュニケーションが思っていたより楽しく、この会社へ就職したことに満足していたそうです。ただ一つの悩みを除けばーー。 「笑顔を忘れず、ハキハキした声で接客していますが、時々『関西の人?』とか『私も関西出身よ』などと言われるんです。自分では極力関西弁が出ないように努めているんですが、セールストークに熱が入ると『ホンマですねー。よーにおてはりますよ(そうですね。よくお似合いですよ)』など、ついバリバリの関西弁になるんですよ」  山下さんの勤務先では彼の関西弁が周知されていて、店長も「別にニュースキャスターじゃないんだから、いいんじゃない」と、個性として容認してくれているそうです。
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なまりを克服するための秘策
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愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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