今週は偉業を狙うレガレイラが皐月賞に出走
皐月賞に管理馬3頭を送り出す矢作芳人調教師
写真/橋本健
今週は牡馬クラシックの第一弾、皐月賞。昨年末のホープフルSで牡馬相手に勝利を収めたレガレイラが、76年ぶりとなる牝馬による皐月賞制覇の偉業に挑みます。
この皐月賞に3頭の出走馬を送り込むのが矢作芳人調教師。矢作調教師といえば、フォーエバーヤングによるUAEダービー制覇が話題になったばかりですが、国内に専念する3歳馬たちも強力なラインナップで、皐月賞に挑む3頭にもチャンスは十分にありそうです。
といっても、今回の原稿のテーマは3歳ではなく2歳。少し気が早いですが、来年のクラシックを狙えそうな矢作厩舎所属の2歳馬、そして今週末に開催される皐月賞の5頭の注目馬をご紹介したいと思います。
来年のクラシック候補!? 矢作厩舎の注目2歳馬は?
矢作厩舎所属の注目2歳馬、1頭目は
レインオンザデューンの2022(牡・父ドゥラメンテ)です。お父さんの
ドゥラメンテは現役時代には圧巻の末脚で二冠を達成。種牡馬としても、三冠牝馬
リバティアイランド、GⅠ3勝の
タイトルホルダーなど多くの活躍馬を送り出しましたが、2021年に死亡したため、この2歳世代がラストになります。
貴重なドゥラメンテの最終世代。レインオンザデューンの2022
貴重なラストクロップの1頭が、このレインオンザデューンの2022、馬名
キングスコールです。矢作調教師に2歳馬について取材したところ、「この馬はいいと思う」と力強い言葉が返ってきました。比較的仕上がりも早いとのことで、早ければ札幌開催ぐらいでのお目見えもあるかもしれません。
この馬は大手グループの生産ではなく、日高地方での生産・育成馬。矢作調教師は、同じく日高育ちの
パンサラッサで、世界最高賞金レースであるサウジカップを制しています。また、規格外の夢を見せてくれるかもしれません。
続いて取り上げるのは
アイリッシュシーの2022(牡・父モーリス)。矢作調教師曰く「見た目は、この馬が一番好き」というグッドルッキングホースです。同馬を育成しているノーザンファーム空港で担当厩舎長の方を取材した際も、「走りをみたら、誰もが綺麗なフォームだなと思うはず」と、その美しさに言及されていました。
この馬の注目ポイントは、
第一回ノーザンファームミックスセールの出身馬であるということ。ミックスセールとは繁殖牝馬と当歳馬を合わせたセリ市場を意味します。ノーザンファームミックスセールは2022年開始(厳密には2019年に繁殖牝馬のセリ市場として新設され、2022年からは当歳馬セールを複合させる形態になった)なので、2022年産の馬たちが一期生になるのです。
今後、ミックスセールが購買者の方に支持されていくためにも、いわゆる“初期メン”から活躍馬が出て欲しいというのは、携わる関係者共通の想いでしょう。そしてその想いに応えるのが、このアイリッシュシーの2022(馬名
タイセイカレント)とみました。
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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