更新日:2024年06月04日 20:13
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新NISAで「買ってはいけない投資信託」とは? プロが“4パターン”を指摘

買ってはいけない投資信託②「インド株ファンド」

 成長著しいインド市場に投資するインド株ファンドもランキング上位に入っている。 「インドの代表的な株価指数『SENSEX指数』は、この10年間で約3.4倍に上昇しています。これは米国のS&P500も上回る上昇率です。ランキングに入っているインド株ファンドも2018年の設定来で2.1倍と素晴らしいパフォーマンスを記録しています。  その背景には、14億人ともいわれる世界最大の人口を抱え、強い内需とインフラ投資による経済成長が続いているからです。これからも人口は増加する見込みで、2028年には名目GDPにおいて米国、中国に次いで世界第3位の経済大国に成長すると見られています。  このように、確かに高い経済成長と株価上昇が期待されますが、これから10年後、20年後もインド市場が伸びているかというと疑問符を付けざるを得ません。2000年代、中国が台頭し、GDPで世界第2位の経済大国へと成長したときも同じようなことが言われました。あれから10年、20年がたって、中国は今どうなっているでしょうか。  経済や株価というのは、上がったり下がったり波があるものです。新NISAのつみたて投資枠は20年、30年、人によっては40年以上も投資するものですから、『今上がっているもの』に慌てて投資する必要はありません。もしインド株に投資したいのであれば、『成長投資枠』のほうで買って、タイミング次第では利益確定するほうがいいでしょう」(福島さん)

買ってはいけない投資信託③「アクティブファンド」

 指数に連動するパフォーマンスを目指すインデックスファンドとは異なり、インデックスを上回るパフォーマンスを目指すのが「アクティブファンド」だ。 「アクティブファンドはプロのファンドマネジャーが運用し、指数を上回るリターンが期待できる。また、株式市場をけん引する旬のテーマや、特色のある銘柄に投資し、短期的には大きなパフォーマンスが期待できます。しかし、実はアクティブファンドの9割はインデックスファンドに勝てていません。  その理由はいくつか考えられるのですが、株式市場のテーマは移り変わりが早く、プロのファンドマネジャーが運用するといっても、5年、10年、20年と長期で勝ち続けるのは難しいからです。また、アクティブファンドの多くは、インデックスファンドに比べて信託報酬が高く設定されているので、長期間で保有するとそれなりのコストが発生してしまい、NISAのつみたて投資にはあまり向かないのです」(福島さん)  それでもアクティブファンドを買ってみたい場合は? 「ランキングには、何年にもわたって素晴らしい運用成績を出しているアクティブファンドがランクインしています。そういったアクティブファンドを買いたい場合でも、投資初心者であれば、まずはインデックスファンドから始めることを基本としてほしい。そのうえで、資産の一部をアクティブ型に投資してみるのがいいでしょう」(福島さん)
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買ってはいけない投資信託④は?
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(ふくしま・ただし)マネックス証券、マネックス・ユニバーシティ室長。日本テクニカルアナリスト協会国際認定テクニカルアナリスト。金融リテラシー向上のための教育活動に従事。テレビ、ラジオのほか、雑誌やWebでコラムを執筆。著書に『1時間でマスター!マンガと図解でわかる 新NISAの教科書』(扶桑社)、『勝ってる投資家はみんな知っている チャート分析』シリーズ(扶桑社)がある。

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