新NISAで「買ってはいけない投資信託」とは? プロが“4パターン”を指摘
投資で得た利益や配当などにかかる税金が非課税になるNISA(少額投資非課税制度)。NISAをきっかけに投資を始めた人も多く、「投資」がますます身近なものとなっている。大幅改正された新NISAがスタートしてから3か月がたち、この間に日経平均株価は34年ぶりとなるバブル後最高値を更新、さらに4万円も突破するなど、好調な相場が続いている。
新NISAが始まり、多くの投資家はやはり「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(通称オルカン)や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などを積み立てていることが判明した。しかし、NISAは長期で積立していくのが王道。そのため、避けたほうがいい投資信託があるという。『1時間でマスター!マンガと図解でわかる 新NISAの教科書』などの著書を持ち、マネックス証券、マネックス・ユニバーシティ室長で投資教育を行う福島理さんに、「新NISAで買ってはいけない投資信託」を聞いた。
新NISAが始まってから3か月、マネックス証券NISAつみたて投資枠における買付UU数から、最も買われている投資信託はどんな商品だったのか。
「NISAのつみたて投資枠で最も買われているのは、eMAXIS Slimの米国株式(S&P500)と全世界株式(オール・カントリー)で、合わせて6割以上の投資家が買っていることがわかりました。手数料にあたる『信託報酬』も0.09372%と0.05775%でほかの投資信託よりも低く、長期的に投資するのに適しています」(福島さん)
これに対し、「長期投資が前提となるNISAだからこそ、買ってはいけない投資信託もあるのです」と指摘する。
福島さんが積立投資であまりオススメしないのは、「バランス型ファンド」だ。バランス型とは、国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)などに幅広く分散投資するファンドのこと。海外については先進国と新興国に分かれているケースもあり、「8資産均等型」の場合は、国内株式/先進国株式/新興国株式、国内債券/先進国債券/新興国債券、国内リート/海外リートの8つの資産に投資するタイプだ。
「バランス型ファンドはさまざまな資産と地域に分散されていて、リスクの低い素晴らしい商品です。ですが、リスクが低い分、リターンもそれだけ低くなってしまいます。すると、将来目標とする資産額に達しない可能性もあるので注意が必要です」
新NISAで積み立てている投資家の多くは、「老後に向けて●万円つくりたい」「子供が18歳になるときに大学の学費を貯めたい」など、目標を持っているだろう。積立額と運用期間から必要な利回りも計算されるが、分散しすぎると目標とするリターンが得られない可能性もあるというわけだ。
「自分が目標とする利回りが平均的に達成できるか、それを考えながら積み立てる商品を選ぶのが大切です」(福島さん)
NISAの積立投資では何が最も買われているのか?
買ってはいけない投資信託①「バランス型ファンド」
(ふくしま・ただし)マネックス証券、マネックス・ユニバーシティ室長。日本テクニカルアナリスト協会国際認定テクニカルアナリスト。金融リテラシー向上のための教育活動に従事。テレビ、ラジオのほか、雑誌やWebでコラムを執筆。著書に『1時間でマスター!マンガと図解でわかる 新NISAの教科書』(扶桑社)、『勝ってる投資家はみんな知っている チャート分析』シリーズ(扶桑社)がある。
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『1時間でマスター!マンガと図解でわかる 新NISAの教科書』 今からいくらずつ積み立てたら安心? |
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