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自宅の部屋の壁に「なんとなく白色」を選んでしまうのは“もったいない”ワケ

 

避けたほうがいいカラーは「イエロー」と「オレンジ」

洋室の壁の色について、より具体的なアドバイスももらった。 「色は基本的にお好きなものでいいのですが、仮にブルーを選んだとします。ここで大事なのは『はっきりとした』ブルーを選ぶことです。原色である必要性はありませんが、見た瞬間にブルーであることがわかることが重要です。ひと口にブルーといっても、色味はじつにさまざま。白に近いブルー、すなわち明度の高いブルーを選んでしまうと、失敗する確率がグンと上がります。ほかの色と合わせにくい色味だからです」
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灰色が混じったグレイッシュな色を選ぶと収まりがよくなる

逆に合わせやすいのは、グレイッシュ(灰色混じり)な色味。純色に灰色が混じった中間色であれば、ブルーに限らず、ピンクやグリーンでもサマになりやすいという。
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イエローを使うには色合わせの力量が問われる

「ただし、先ほど色は好きなものでいいと話しましたが、僕の経験上、どうしても扱いにくい色というものが2色あります。それはイエローとオレンジです。ほかの色と合わせにくいうえに、クロスの場合は発色のいいものが見当たらない。配色に自信がないという場合は、避けたほうがいいでしょう」 最近ではアクセントとして柄を取り入れるパターンも見受けられるが、ここにも注意ポイントがある。 「問題はやはり『白』です。1面に柄を使ったはいいものの、うるさくなるかもしれないと危惧して、残りの3面を白くしてしまう人がいます。これは非常に野暮ったく見えます。柄を組み合わせる自信のない人は、使った壁以外の面は、白ではなく、似たトーンの色を入れるほうが美しく見えます」 注文住宅の場合、壁のクロス選びは、たいてい家づくりの終盤にやってくる。「来週までには選んでください」と言われ、つい「白でいいか」と済ませたくなるもの。しかし、後悔しないためにも、もうひと踏ん張りこだわっていきたい。 〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた

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1000軒の家を建ててわかったこと

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