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「いきなり退職代行から連絡が…」「注意すると泣く」20代社員はなぜ“打たれ弱い”のか

若害が進む理由は時代、希少性、少子化?

増殖![若害]の実態なぜ、若者の間で「若害化」が進んでいるのか。最大の要因は、就職の売り手市場にある。若者研究で知られる芝浦工業大学教授の原田曜平氏は、「希少性」を指摘する。 「一番大きいのは、やはり人手不足だと思います。今の30代は少子高齢化とは言われつつも、意外とリーマン・ショックなどの影響で、その恩恵をあまり受けられていない。本当の売り手市場はここ5年くらい。辞めても転職先はすぐ見つかるので、しがみつく必要が全くありません」 なお、若者が過度にお客さま扱いされる傾向は、何も職場だけに限った話ではない。 「希少性は塾でも学校でも、どこに行っても変わりません。アルバイト先にしても、日本人の若者に働いてもらえるだけでありがたい。だから、若者に突然シフトをドタキャンされても、融通が利かなくても、文句を言えない店が増えています。さらに、少子化で大人から寵愛を受けて育ってきた人の比率が高い。競争にも晒されず、自分を肯定されることには慣れていても、他人の批判には慣れていない。だから、打たれ弱いんですね」(原田氏)

「希少性」「少子化」に続いて影響が大きいのは…

「希少性」「少子化」に続き、大きいのが「時代」の影響だ。若手採用に詳しい人材コンサルタントの安藤健氏は語る。 「現在の若者は、物心ついた頃から東日本大震災やコロナ禍などを経て、社会不安は人一倍経験してきた世代です。意外に感じるかもしれませんが、『何があるかわからないから、会社には依存できない』と考える若者が多いんですね。実際に、ビズリーチ・キャンパスが実施した調査によれば、就活生の55%が転職を前提に就活しています。また、最近、職場がホワイトすぎるからと退職する若者が登場しているのは、過度にお客さま扱いされた結果、彼らが『この会社では自分が成長できない』と見限るからこそ。どこの企業でも若者の囲い込みに躍起になるなか、正直、帰属意識は期待できません」
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若害化する若者のデータ
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2024年5月7日・14日合併号(4/30発売)

表紙の人/ 伊織もえ

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