更新日:2024年05月22日 16:19
仕事

“前職は体育教師”のホストが「年間3億円弱」売り上げるまで。1日4時間睡眠で働くも「全然余裕だった」

夢は「地元で母とカフェ経営をすること」

叶成

成さんのInstagramを見た元生徒がお客さんとして来店したことも。「歌舞伎町は危ない街だから気を付けろよっていう話をして、すぐに帰らせました。さすがに元生徒にはお金を使わせられないので」

 時にはお客さんからきつく当たられたり、お客さんの指名を取り合う同僚とギスギスしたりすることもあったが、野球部の監督から言われた「理不尽が人を成長させる」という言葉を胸に、成さんは出勤し続けた。 「入店して4カ月くらい経ったときに、初めて高額のシャンパン(150万円)を入れてもらいました。これを機に勢いがつき、その店舗では安定してナンバー1を獲れるようになりました」  1店舗目では1年半ほど働いたが、「もっと上を目指したい」と、歌舞伎町にあるホストクラブの中でもトップクラスの知名度を誇る大型店「TOP DANDY」に移籍。2023年度には年間で約2億8千万円を売り上げ、グループ全体で売上ナンバー1を記録した。売上や指名が多くなった理由の一つは、礼儀作法やマナー、丁寧な話し方などを徹底したからです。僕を指名してくれるお客さんの中で20代は少なく、ほとんどがお金や精神的に余裕のある同世代や、年上の方が多いです。後者のお客さんに喜んでもらえるよう、品のある接客を心がけています」  今後の目標は、2024年度もナンバー1を獲ることと、母親の夢を叶えることだ。 「母子家庭で大変な中、僕たちきょうだいを育て上げてくれた母に恩返ししたいんです。前にふと、母が『カフェをやってみたい』と言っていたことがあったので、いつか地元で一緒にカフェ経営ができたらと考えています。実現させるためには、ホストしてもっともっと売れたいですね。それが今のモチベーションです」  元教師ならではの教養のあるコミュニケーションが武器でもある成さん。教育現場と夜の歌舞伎町、対極な世界で培った人間力は唯一無二ともいえる。カフェオーナーになる夢も“叶える可能性”が高いはずだ。   <取材・文/橋本 岬>
IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです
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