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プロポーズ直前「軽自動車にあおり運転」…高級スポーツカーを借りた32歳男性の“傲慢と悲劇”

いよいよ当日。しかし…

 練りに練った計画で、プロポーズ当日を迎えた田村さん。昼過ぎにレンタカーを取りに行き、その足で彼女を迎えに行きました。 「学生の時、運送会社でアルバイトをしていたので、運転には自信がありました。しかし、さすがに数千万円もするスポーツカーの運転は初めてだったので、お迎えの前に都内を少し走ってから待ち合わせ場所まで行きました。車で迎えに行くとだけ伝えてあったのですが、こんなにゴージャスな外国車だとは思っていなかったようで、軽くクラクションを鳴らしたら、ようやく気づいてくれました」  2人は横浜で遅めのランチをとり、その後目的地へ向かいます。しかし、高麗山公園に向かう片側1車線の道路で、前をゆっくり走る軽自動車に割り込まれます。 「前の軽自動車は、かなりノロノロ走っていました。この道路は追い越し禁止区間だったので、追い越すこともできず、イライラが抑え切れませんでした。気がついたら、車間距離を詰めたり、右側にはみ出したりしていて、それでもノロノロ運転は変わらずで、パッシングをして、最後にはクラクションまで鳴らしてしまいました。たぶん、舌打ちなどもしていたでしょう。完全に美咲さんの存在が視界から消えていましたね」

プロポーズどころか人生最悪の事態へ

失恋 2人が乗ったドイツ製のスポーツカーは、その後、展望エリアの駐車場に到着しました。しかし、そこで人生最悪の事態が起きました。 「夜景が見える場所に車を停め、ふと助手席の美咲さんに視線を送りましたが、彼女はぼーっと前を向いたままでした。そして、『どうしてあんな乱暴な運転をするの? あれは、完全に”煽り運転”だと思う。それに、覚えてる?舌打ちしながら下品な言葉を口にしていたの。私、すごく怖かった。悪いけど、もう田村くんとは一緒にいれないわ。一人で帰ります』と言って、美咲さんは車から出ていきました」  すぐにあとを追いかけたそうですが、美咲さんは小走りに去っていき、少し先で自分で呼んだタクシーに乗って帰っていったそうです。 「その後、一人で目の前の夜景をずっと見ていました。冷静になるにつれ、あの時前の車を煽っていた光景が頭の中に浮かんできます。最低ですね、僕は。もう車は乗りたくありません」 <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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