――山北さんと若井さんはどのような形でまとめたんですか?
山北 まずはニュートラルな感覚の友希ちゃんがみんなの言葉を集めて歌詞を作ってくれて、そこから私が少しずつ意見を出して変えていった、という流れです。
若井 ラップみたいなパートの部分で、さきさまが「婚活適齢期真っ只中」ってワードを付け足してくれたときは、さすがだなと思いました(笑)。そういう爆弾みたいなパンチラインで歌詞にいいスパイスが加わって、そういうのは私の持っていない部分なので、尊敬してます。
山北 Aメロ、Bメロ、サビだけでは言いたいことが入り切らなかったので、ラップパートを増やしてもらいました。
――なるほど、サビがなかなか来ない、展開が少し複雑な楽曲になった理由は、そこにあったんですね。タイトルはどのように決めたのでしょうか。
山北 タイトルは、私たちがライブや動画でファンのみんなに向けて言ってる「らぶちゅっちゅ」という言葉を元に、友希ちゃんが決めました。元々はサビっぽいフレーズとして用意していて、タイトルは最後まで決めてなかったんです。
友希ちゃんは「I listen to your heart」にしたいとかいろいろ言ってたけど、私はシンプルなほうがいいかな、と思っていて。3つくらいに絞ったあと、みんなで「愛 for you!」に決めました。カッコつけすぎてない感じが絶妙だなと思ってます。
「永遠じゃないからアイドルを生きてる」
――それぞれ、歌詞のなかで特に思い入れのある言葉はありますか?
芹澤 すごく好きなフレーズが、「まだまだ完璧になれないから面白いじゃん」。私って完璧を目指すくせに、それができなくて悩みがち。でも“完璧”よりも、もっと素敵なことができるんだって気づいてから、このフレーズがより沁みるようになりました。とはいえ、完璧を目指して頑張る自分も大好きです。
若井 ひとつの言葉としては、「I listen to your heart」という歌詞が、ぎりぎり「i☆Ris」に聞こえるような、空耳っぽいワードにしたいと思って歌ってます。曲全体でいうと、私たちはあとどれくらいアイドルとして生きられるかわからないから、大事に生きようってテーマを、メンバー全員で持ってましたね。
それが、さきさまが考えた「永遠じゃないからアイドルを生きてる」という歌詞に表れてて、格言だと思います。すごくいいフレーズ!
山北 泣かせるバラードって感じじゃないのに、聞いたら泣いちゃうっていう、伝説級の歌になったって、勝手に思ってます! マジで聞いてほしい!
【i☆Risプロフィール】
‘12年に結成された、山北早紀、芹澤優、茜屋日海夏、若井友希、久保田未夢の5人からなる声優アイドルユニットi☆Ris。彼女たち自身をアニメ化し、本人自ら声優を務める劇場版アニメ「i☆Ris the Movie – Full Energy!!」の主題歌・挿入歌となっている25th両A面シングル「愛for you!/希望の花を」が発売中。また、劇場版アニメに続き、初の実写映画化「Live & Documentary Movie ~i☆Ris on STAGE~」が9月に公開決定となった
<取材・文/森 ユースケ 撮影/尾藤能暢>