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小学校校長が“9歳女児”に恋愛感情を…。元教員の性犯罪裁判で起きた“異様な光景”の正体

“傍聴人の閉め出し作戦”のきっかけとなった文書

裁判

市教委の学校教育事務所長が関係先に通知した出張を命じる内部文書。事務局が積極的に職員を派遣することや傍聴時の注意事項が記載されている

 市教委は会見で、2019・23・24年度に行われた4件の公判の計11回で、1回当たり最大50人を要請・動員したことを認めた。なかには、出張手当を支給したものもあり、要は公金を使って「裁判公開原則」を無視した傍聴人の閉め出しをしていたというのだ。  筆者は、“傍聴人の閉め出し作戦”のきっかけとなった文書と、本件で職員に出張を命じる文書の2枚を入手。文書には、作戦の目的として「被害児童保護の観点から、部外者による児童の特定を避ける必要があります」と記載されていた。  また、NPO法人が市教委へ傍聴妨害を要請した文書には「関係者が集団で傍聴に来たとわからないようにした方がいい」、「互いに声をかたりせず、知らないふりをする」などと作戦がバレないように注意事項が書かれていた。
裁判

NPO法人から市教委宛の傍聴人の閉め出しのきっかけとなった内部文書。市教委関係者と知られないようにするための注意事項が記載されている

 B氏は市教委関係者よりも早く並び、第2回公判と判決公判を傍聴したという。ただ、傍聴人界隈ではこの報道に驚きの声は少ない。筆者も一報を聞いて「横浜が露骨だっただけ」と感じてしまったほど。教職員の性犯罪裁判は基本的にスーツ姿の関係者ばかり。それだけではなく、有名事件では多数の警察職員が抽選式の傍聴券を入手しようと並び、結局当選したら数名だけ傍聴する。落選した人もいるなか、傍聴席に空席が目立つことさえあるのだ。

裁判公開の軽視は許されないこと

裁判

市教委が公表した謝罪や今後の対応について記載した文書

 近年は、裁判所も問題視されるほどに「秘匿化」が進んでいる。実際に今回の裁判でも、被害児童が特定されないようにと、当事者名など秘匿決定がなされている。裁判公開を軽視した行政の出しゃばりは、断じて許されないこと。 「開かれた校長室」どころか、「開かれた裁判」すらなかったようだ。 取材・文/学生傍聴人
2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho
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