他店の商品を勝手にレンチン、レジ袋でカスハラ…大手コンビニ店員が目撃した「迷惑すぎるお客たち」
小売りや外食産業などの労働組合UAゼンセンが2024年に行った調査によれば、2年以内にカスハラの被害にあった人は46.8%に上ったという。その内容も暴言、威嚇・脅迫、同じクレーム、長時間拘束など多彩だ。
「毎日のように困ったお客さんは来ます。わりと近くに飲み屋街があって、真夜中に酔っぱらって来店するんですね。けっこう飲んでいて、店内でもどしてしまうこともあります。普通の感覚だと恥ずかしいからもう来ないと思うんですけど、1週間後に普通に買い物に来て。今度は『財布忘れちゃったからつけといて』と要求してきたりします。ちょうどその日は僕が休みで、頼まれた同僚のスタッフが『かわいそうだから』って立て替えちゃったらしいんですよね」
後で同僚から話を聞いて驚いたRさんだったが、「当然そのお金は返ってこないですね」とのことだ。
「レジ袋カスハラ」の生々しい体験談もRさんの口から語られた。
「『袋いりますか、いりませんか』って聞いてもやっぱり全然答えない人がいるんですね。2回くらい聞いても答えてくれないから袋なしで会計したら、『袋入れてって言っただろう!この野郎』と怒鳴られたりします」
そのように激高して大声を出す人の年齢層はどうなっているのだろうか。
「ちょっとしたことで怒鳴って大声を出すのは、中年以上の方に多いですね。若者や外国人は手を出したり掴みかかってきたりします」
客の暴力的な態度のため、警察を呼ぶこともしばしばあるという。ただし、通報して警察を呼んだからといって「万事解決」とはならないようだ。
「警察を呼んだからといって、なんでも対応してくれるわけじゃないんです。民事不介入という立場上しょうがないんでしょうけど、『まあまあ』とお互いなだめられてしまうですとか。逆に僕が怒られたこともありますしね。店内でそのままお客さんと話し始めてしまうので、こっちとしてはもうとにかく外でやってくれって感じなんですけど……。ほかのお客さんも入りづらいですし」
多くの人々にとって、コンビニは身近な存在となっている。毎日のように利用する人もいるのではないだろうか。その身近さゆえに、カスハラ客にとって鬱憤の「手軽なはけ口」となってしまっている可能性がある。東京都内の某高級住宅街、コンビニ大手3社のうちのひとつで働くRさんが、匿名で取材に答えてくれた。
「財布忘れちゃったからつけといて」
暴力行為に警察を呼んだとしても…
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障害者雇用でIT企業に勤務しながらの兼業ライター、小説家。ビジネス実務法務検定2級、行政書士試験合格済み。資格マニアなのでいろいろ所持している。バキバキのASD(アスペルガー症候群)だが、パラレルキャリアライフを楽しんでいる。Xアカウント名:@writer_nobuoka
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