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シャッターに放尿、支店の前で大便…銀行員を困らせる“迷惑老人”たち

粗品目当てで来店する、女性老人

粗品先程は男性客だが、女性客の中にも迷惑老人は存在するようだ。 「窓口では投信の契約者を増やすために、キャンペーンを組むことがあります。来店して説明を聞けば、粗品がもらえるという内容が多いですね」 その粗品を目当てに、毎日のように来店する女性の老人たちがいるのだという。 「彼女たちはいつも同じ顔ぶれです。『あそこの店で、こういうキャンペーンをやっている』という情報交換をしているようです。銀行は待ち時間もソファで座っておしゃべりができるし、冷暖房が効いているので快適なんでしょうね」 対応しなくてはならない窓口の女性は「またか……」とうんざりするものの、番号札を引いている以上は“お客さま”である。さっさと終わらせて、粗品を渡して帰ってもらっているという。しかし、その雑な対応があだとなってしまったようだ。

くじ引きで一等を引いてしまい……

その日は来店キャンペーンで、くじ引きをやっていた。なんと女性老人のうちの一人が、一等賞を引いてしまったそうだ。そうとなると、景品を渡さないわけにはいかない。 「その老人は、意気揚々と大きなバッグに景品を入れていましたよ。彼女たちはいつも大きなバッグや風呂敷を持ち歩いていて、銀行だけでなく自動車のディーラー店にもよく足を運んでいるみたいです」 Aさんは、全く悪びれない迷惑老人たちを見る度に、気が重くなっていたという。 「迷惑老人たちを見ていると、お金も趣味も仕事もない人が多いような印象を受けます。時間だけはあるから、しょうもないことをして時間を潰すしかないんでしょう。本格的な高齢化社会が到来すると、日本はどうなってしまうんでしょうかね」

迷惑行為以外にも、社会との繋がりを

筆者が銀行で働いていた頃も、バスの時間までATMで時間を潰す老人がいた。無人の個室ブース席である“テレビ窓口”で食事をして、そのままゴミを残していく老人も見たことがある。彼らはただマナーが悪いだけで、大きな問題には発展しなかった。 しかしAさんのケースは、明らかに悪質である。銀行員の業務時間を、本来費やすべきではないことに使わせているからだ。会社から時間を奪っているともいえる。会社の利益が出ないと日本が不景気になり、自分たちもいずれ困るはずなのだが……。 まだまだ社会には人手が足りないところがたくさんある。老人にはパートタイムの仕事やボランティア活動や孫の世話やスポーツジムで身体を動かすなど、迷惑行為の他にも社会との繋がりを見つけて欲しいものだ。 <文/綾部まと>
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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