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1千万円「純金茶碗窃盗事件」の真相。32歳“自称イケメン”被告の「信じられない行動」が明らかに

“犯行の稚拙さ”が目立つ結果に

高島屋

 「大黄金展」開催期間中の日本橋高島屋本館

 公判で犯行当日の行動が明らかになったことで、法律関係者や記者らは一様に首をひねる。筆者もその内の一人。なぜならば、被害額に似つかず一連の行動が場当たり的で稚拙さが多く目立つからだ。  例えば、わざわざ店員や警備員などが配置され、防犯カメラもある中で白昼堂々犯行に及んだこと。犯行の瞬間が目撃されてもおかしくない状況下で大胆にも茶碗を盗み出し、さらには防犯カメラ映像を監視している職員がいる可能性も考慮していない。ましてや、再び会場内に入る。  当然、事件が発覚したのは早かった。なんと、被告人が高島屋を退店する10分前には、店員の一人が茶碗がケースから忽然と消えていたことを発見したのだ。それどころではなく、店員は被告人を目撃していたというのだ。 「犯行当日の午前11時55分頃に、茶碗がケース内の台座に置かれていないことに気づき、事務所へ行きました。防犯カメラの映像を確認し、再度会場に戻ると犯人を見つけました。すぐに事務所へ知らせに行きましたが、会場に戻った時には既にいませんでした。その後、高島屋の中を探していたところ、店内の通路から犯人らしき人物が外を歩いているのを発見しましたが、すぐに近くにいったもののいませんでした」(店員の供述調書から)  その他にも、被告人は逃走ルートをたどれてしまうのに、ICカードを利用して日本橋駅から被告人の自宅の最寄駅である江東区内の駅まで乗車し、さらに同区内の古物店で商品を転売している。案の定、犯行の2日後の13日には下車駅付近で警視庁の捜査員が被告人を発見。確保時の服装は、犯行時とほとんど一緒だったという。

高島屋の警備の甘さも露呈

 目立つのは被告人の行動だけではなく、やはり高島屋の警備の甘さも気になるところ。事件後、会場へ行ったC氏は筆者の取材に対してこう語った。 「会場内には、5000万円を超える純金の将棋駒や400万円するミッキーマウスの純金人形、金塊を持ち上げられたりとイベント性もありました。店員から商品を実際に手に取ることもできると言われたので、私は小判を持たせてもらいました」  さらに、展示ケースについてC氏は「単なる被せ物のような感じで、施錠も警報装置もないようでした。ただ、事件後はケースと客との間に仕切りができていて、直接手が届かないように対策されたようです」とのこと。  店員の調書には、「誰でも入店でき、誰でも手に取ったり購入することができます。ケースには施錠設備はありませんが、今まで勝手に開けたお客様を見たことはありませんでした」と供述されていた。  他方、全国の高島屋で開催されている「大黄金展」だが、来場者が直接商品に触れられることで楽しんでもらう目論見もあるようで、過剰な警備は難しいとのことだ。
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被告人のSNSから見える「ビジュアルへの自信」
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2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho

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