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1千万円「純金茶碗窃盗事件」の真相。32歳“自称イケメン”被告の「信じられない行動」が明らかに

 今年4月、東京都中央区にある「日本橋高島屋」の本館8階で開催されていた「大黄金展」で、販売価格1000万円越えの純金茶碗を盗んだとして逮捕・起訴された堀江大被告人(32)の初公判が、6月27日に東京地裁(小坂茂之裁判官)で開かれた。  この事件を巡っては、被告人の行動や貴金属店の買取価格、高島屋の警備体制などナゾが多い。ましてや、被告人はイケメンを自称しYouTubeにチャンネルを開設・動画投稿をしていた。本記事では、そんな“ナゾ多き事件”に迫る。

被告人の驚きの行動が明らかに

裁判

日本橋高島屋本館/2024年4月15日、筆者撮影

 一時、社会をにぎわせた事件とだけあって、開廷の約30分前から法廷前には傍聴希望者で列ができており、なかには高島屋関係者であろうスーツ姿の集団や若者など約30名が並んでいた。  開廷前、職員に連れられ被告人が入廷。被告人は上下灰色のスウェット姿で、傍聴人を見渡すことなく終始正面を向いてた。第一印象は小柄で、送検時のニュース映像よりも見た目が若く、大学生と言われても疑われないであろうほど。  起訴内容は、被告人は4月11日午前11時40分頃、東京都中央区の日本橋高島屋本館8階で純金抹茶茶碗(販売価格1040万6000円)を窃取したというもの。裁判官から起訴内容に間違えはあるかと尋ねられ、被告人は「大丈夫です」と犯行を認めた。そして検察官の冒頭陳述により、被告人の当日の行動などが明らかになった。  被告人は、北海道生まれで約5年前に上京。上京後は借金を重ね、一向に返済をしない被告人に対して、消費者金融から訴訟を提起されるほど追い詰められていたという。  事件当日の4月11日、被告人は午前11時24分に高島屋に入店した。その後、午前11時32分に本館8階の「大黄金展」を訪れ、店員の行動や配置状況などを確認。午前11時40分には、商品を覆っていたクリアケースを外して、純金茶碗をリュックサックの中に入れ、会場を後にした。  そして驚くべきことに、会場を後にした約5分後の午前11時52分に再び商品を盗もうと会場内に入っていたのだ。だが、店員の行動を見て断念、午後0時5分には高島屋を退店している。
日本橋駅

日本橋高島屋前に設けられている東京メトロ日本橋駅の出入口

 被告人は、東京メトロ日本橋駅まで歩き、東西線に乗って現場を離れた。ネット上で「金売買」と検索した後に、午後1時17分にタクシーを使って古物商のA店を行き、茶碗を転売・換金した。盗まれた茶碗は24金で重量は381グラム。しかし、売却価格はわずか178万円だったという。  大金を手に入れた被告人は、犯行当日に「iPhone 15 Pro」と「Apple Watch」を購入。その後も、中古の「iPhone 7」や日用品など計41万円を使ったとのことだった。

「第二の被害者」は約500万円の損失

 実は、今回の公判で「第二の被害者」の存在が明らかとなった。A店が被告人から178万円で買い叩いた純金茶碗は、翌日には別の古物商のB店へと渡っていたという。  B店の店員は、純金茶碗を入手した経緯についてこう供述していた。 「犯行日の14時頃、A店の店長から今回の茶碗の買取依頼を受けました。説明では、24金で重量は381グラムと聞いていました。翌日の午前中には茶碗が届き、重量が381グラムだったので486万円で購入しました」(B店の店員の供述調書から)  今回の件について店員は、「まさか盗まれたモノだとは思わなかったです。約500万円の損失が出て困っています」と供述していた。
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高島屋の「警備の甘さ」も露呈
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2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho

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