更新日:2024年07月10日 18:11
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日経平均は最高値更新「プロが実際に買った&狙っている」高配当銘柄。株価の上昇も見込める

日本の株式市場、夏場はどうなる?

東京 日本銀行本店 こうして7月は夏枯れ相場になるどころか、活況を示す日本市場であるが、このまま8月を迎えることができるのであろうか?  少なくとも7月後半に入ると、市場は7月末に予定されている日本銀行の政策決定会合での利上げと、アメリカ連邦準備制度理事会での利下げに対する姿勢に注目するようになるだろう。  さて、そんな中で、日本の株式市場で注目を集める銘柄のキーワードはなんであろうか?デイトレやスイングトレードをする向きは別として、3月からの日本株の主役のひとつは、高配当銘柄と魅力的な株主優待だった。  証券会社が発表する新NISAの人気銘柄ランキングでも常に上位につけている。3月以降の株価が上がらない中でも、多くの投資家が買い続けてきた。この流れは今後も続くだろう。  しかし、そこには大きなジレンマがある。高配当株が人気を集めて買われるごとに、当然のごとく株価は上がり、配当利回りはどんどん低くなっていくことだ。

株価が上がると配当利回りが下がるジレンマ

JT(2914)

JT(2914)

 高配当株の筆頭だった、JT(日本たばこ/2914)など、かつては7%台もあった配当利回りが4%ぎりぎりまで下がってしまった。JTの配当は増配が続いているのだが、それ以上に株価が上がってしまうのだ。  私がJTの投資を本格的に始めたのは2023年だったが、平均的な購入株価は3000円ほど。単元で30万円程度で配当利回りは6%台半ばだったものが、2024年には株価は4500円まで上がった。  JTの権利付最終日は6月と12月。1株あたりの配当は194円と高い。高い配当をもらい続けるべきか、含み益をそのまま放置するのではなく、売却して実現益として手にするべきか? 多くの投資家も悩む課題だ。  私は結局売却することにした。  JTはかつて2016年から約4年間、株価が下げ続けたという過去がある。さらに、長期的に、果たしてたばこ産業は成長していくのだろうか?と考えると大きな疑問が残った。  私は、たばこ産業が成長産業だと考えて投資したのではなく、高配当銘柄だから投資したのだ。そして、私は2024年の5月に最後まで所有していた100株も売却し利益を確定させた。
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投資のプロが狙う高配当銘柄
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経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『つみたてよりも個別株! 新NISAこの10銘柄を買いなさい!』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』、『安心・安全・確実な投資の教科書』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

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