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耳元にライターを近づけて「殺すぞ」…50代支店長の日常的なパワハラ。“民間の相談窓口”に集まる悲痛な声とは

会社に貢献した人には対応が甘い?

 
日本公益通報サービス三谷剛史

日本公益通報サービスの三谷剛史取締役

 パワハラが改善されなければ、降格されるという危機感が加害者になかったのだろうか。日本公益通報サービスの三谷剛史取締役は「自分のイライラをぶつける唯一のことがパワハラだったのでしょう。改善されなかったのは、快楽を感じていたと思われます。一種の麻薬のようなものですね」と原因を推測し、さらに企業側にも問題があると指摘する。 「懲戒解雇レベルのパワハラですが、会社側は2度も許しています。支店長代理まで出世した人ですから、おそらく営業成績が良く、会社に貢献してきたため、どこか対応が甘くなっていたのかもしれません」  ハラスメント問題は加賀者だけでなく、企業側の認識も問われているのだ。

事例2:セクハラ加害者と同フロアで働く女性の悩み

 通報したのは賃貸保証会社に勤務の30代女性。別の部署だが同じフロアの30代男性のハラスメントだった。 「仕切りがあるものの、向かい合うような位置に座っている男性から、視線を感じるようになりました。目が合ったので目線をそらしたのですが、その後も視線を感じるたびに業務に集中できなくなったんです。社員食堂で私が1人でランチを食べていると、目の前の空いている席に男性が座って、一言も言わずに食べ続けるんです。空いている席はたくさんあるのに、なぜわざわざ私の前に座るのでしょう。気持ちが悪くて仕方がないです」(通報者)  女性は手の震えなど体の不調を訴え、メンタルがしんどいとクリニックに通院しているという。    報告を受けた賃貸保証会社のコンプライアンス担当が男性にヒアリングをしたところ、女性が通報した内容と一致する行動を認め、「2年前に一度話をしたときから、女性に好意を持った」と述べた。会社側が改善を求めたので男性は応じた。
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両者の言い分に食い違いが生じた
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コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪

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