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俳優・藤竜也82歳、豊かな生活よりも“気持ちの贅沢”「お腹を空かせてきたから仕事に飽きてない」

北米最大の日本映画祭で藤のための賞が

藤竜也さん

北米最大の日本映画祭「ジャパン・カッツ」特別生涯功労賞を受賞した藤竜也さん

――なるほど。新作『大いなる不在』でも藤さん演じる父・陽二の姿、表情に幾度もハッとさせられました。それも藤さんではなく、完全に役が入っていたからだと納得です。藤さんの出演作は、これまでにも海外で評価されてきましたが、『大いなる不在』もニューヨークで開催される北米最大の日本映画祭“ジャパン・カッツ”に正式出品。さらに、藤さんは特別生涯功労賞を授与されます。これは藤さんのためにわざわざ設けられた賞だとか。 藤:功労なんてしていないと思っていたから、「よろしいんですか、私で」という感じです。

かつて大島渚とニューヨークへ

大いなる不在

『大いなる不在』(C) 2023 クレイテプス

――ニューヨークへは。 藤:映画関係で行くのは2度目です。ちょうど半世紀前に、大島渚さんの『愛のコリーダ』(1976)がニューヨーク映画祭に招待されたんです。私もお供しまして、リンカーン・センターで上映されるということだったんですが、検閲が通りませんでした。西海岸は通っていたから大丈夫だろうと思っていたんです。  でも当時のニューヨーク州では上映できなかった。それで大島さんの別の作品を上映したあとに、『愛のコリーダ』に関するパネルディスカッションをやったんです。あれから半世紀経って、今回、この『大いなる不在』と、そのほかの僕の出演作が上映されて、賞をくださると。感慨深いですね。 ――プライベートでニューヨークは行かれているのですか? 藤:28歳くらいのときにジャズを聴きに行ったのが最初ですね。今回は映画祭を楽しめればいいかなと思っています。
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面白い脚本であれば短編でも関係ない
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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【公開情報】
大いなる不在』はテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほかにて全国順次公開中
(C) 2023 クレイテプス
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