更新日:2024年11月21日 19:17
仕事

「コーヒーの量が少ない」と毎日同じクレーム…50代男性迷惑客を黙らせた“まさかの援軍”

毎日のように文句を言われ続けた結果…

 悪夢はそれで終わらなかった。翌日から男性客は毎日のように訪れ、変わらず氷無しのアイスコーヒーを注文した。グラスの半分しか入っていないコーヒーを持ち、後藤さんに向けて文句を言い続けた。  ネチネチした嫌味や中傷を無視できるほど後藤さんは強くなかった。日々精神をすり減らし、睡眠障害に陥り、職場に行くのが嫌になった。極めつけは、「お前が辞めるまで通うからな」と言われたことだ。 「それで限界が来て、店長に退職したい旨を伝えました。何も相談していなかったので店長も驚いていましたね。事情を話すと、退職ではなく休職という形にしようと。しばらく休んだら店舗を変えて働かないかと提案してもらいました」

職場復帰してみると、祖父が同僚になっていた

 その提案を受け入れ、後藤さんは実家に戻った。夢を叶えるために頑張っていた後藤さんが突如として戻って来たことに家族は驚いたが、中でも一番驚いていたのは彼女の祖父、俊正さん(仮名・62歳)だった。 「店を出したいという夢を一番応援してくれたのが祖父でした。私はおじいちゃんっ子だったので、すごく心配そうに私に聞くんですね、何かあったのか? って。私は号泣して、あったことをすべて話しました。人生で一番泣いたかもしれません。そしたら祖父はすごく冷静な声で私に聞くんですよ。働いていた店舗と、店長の名前を教えてくれって」  それから2週間後、後藤さんは元いた職場に復帰した。以前と一つも変わらない職場だが、唯一違うのは職場に彼女の祖父がいることだった。鳶職人として定年を迎えた初老の男性は、孫娘のために飲食店という慣れない足場に立つことを選んだ。 「恥ずかしかったけど、すごく安心感があって。私が号泣した翌日、祖父が店に電話をしたんです。それで店長に自分を雇ってほしいと伝えて、働くことになりました。笑っちゃいますよね」
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男性客が口を開こうとした瞬間、祖父が…
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