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バラエティ番組「個人視聴率」BEST10。『突破ファイル』は4位、『ザワつく!金曜日』が2位

「BPOがバラエティをつまらなくした」は的外れ

ザ!鉄腕!DASH!!

『ザ!鉄腕!DASH!!』番組公式HPより

 1995年にスタートした『鉄腕DASH』のメイン出演者はTOKIOの城島茂(53)国分太一(49)松岡昌宏(47)。やはり家族で観られるのが大きな特徴である。自然との共生を言外に訴えている番組なので、系列局は「青少年に観てもらいたい番組」などとPRしている。その触れ込みに偽りはない。14日放送では東京・荒川の天然ウナギとその漁などを紹介した。 「BPO(放送倫理・番組向上機構)がバラエティをつまらなくした」と言う向きがあるが、それが的外れであることが分かる。過激さを売り物としないバラエティでも人気は得られる。 『THE突破ファイル』は2018年に始まった。MCは内村光良。人間が絶対絶命のピンチをどう乗り越えたかを考えるクイズバラエティ。放送開始当初はやや苦戦したが、今では常に高視聴率を得ている。 「ネタ」がいいからだろう。たとえば、再現ドラマに仕立てた「突破空港税関」では、ジャングルポケット・斉藤慎二(41)たちが演じる税関職員が、いかに密輸を防いだかを考える。再現ドラマは事実に基づいているから、興味をそそられる。
THE突破ファイル

『THE突破ファイル』番組公式HPより

所ジョージ司会の番組が5位、6位

世界まる見え!テレビ特捜部

『世界まる見え!テレビ特捜部』番組公式HPより

世界まる見え!テレビ特捜部』の司会は所ジョージ(69)ビートたけし(77)はスペシャルパネラーという立場だ。世界の面白い映像や衝撃映像、ドキュメンタリーを紹介している。  放送開始は1990年。30年以上続き、高視聴率を保ち続けている。これがテレビ局にとってバラエティをつくる大きな魅力である。当たったら、人気が衰えるまで、ずっと続けられる。  ドラマはたとえ大当たりしようが1クール(3カ月)で終わってしまう。その次の作品が当たるかどうかは分からない。このため、テレビ界ではドラマを「短距離走」、バラエティは「マラソン」とも称する。  バラエティは視聴率が悪かったら、新たなコーナーを設けたり、出演者を交代させたり、テコ入れもしやすい。ドラマも視聴率が振るわない場合、ストーリーを変えることがあるが、大抵はうまくいかない。 『ポツンと一軒家』は個人の数字は高いが、コアは極端なまでに低い。「田舎暮らしもいいものだ」と思う人が多いのは中高年以上だからだろう。
ポツンと一軒家

『ポツンと一軒家』番組公式HPより

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自分の世界に例外なく引き込む能力
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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