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バラエティ番組「個人視聴率」BEST10。『突破ファイル』は4位、『ザワつく!金曜日』が2位

バラエティ番組「個人視聴率」BEST10

 バラエティはドラマと並んでテレビの華。今、本当に強いバラエティはどの番組なのか? 個人視聴率(4歳児以上、高齢者までの全体値)を上位から順に並べた。併せてコア視聴率(13~49歳に絞った個人視聴率)も見てみたい。さらに秋改編の情報を記す。  調査期間は7月1日(月)~同14日(日)。特別番組は除いたが、通常番組の拡大版は含めた(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
世界の果てまでイッテQ!

『世界の果てまでイッテQ!』番組公式HPより

①日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』(日曜午後7時58分) 14日放送分 個人7.7% コア6.1% ②テレビ朝日『ザワつく!金曜日』(金曜午後6時50分) 12日放送分 個人6.9% コア1.8% ③日本テレビ『ザ!鉄腕!DASH!!』(日曜午後7時) 14日放送分 個人6.5% コア4.3% ④日本テレビ『THE突破ファイル 2時間スペシャル』(木曜午後7時) 11日放送分 個人6.3% コア5.0% ⑤日本テレビ『世界まる見え!テレビ特捜部』(月曜午後8時) 8日放送分 個人6.2% コア5.1% ⑥テレビ朝日『ポツンと一軒家90分スペシャル』(日曜午後7時58分) 14日放送分 個人6.2% コア1.4% ⑦TBS『プレバト!! 2時間スペシャル』(木曜午後7時)  11日放送分 個人5.9% コア1.4% ⑧日本テレビ『踊る!さんま御殿!! 2時間スペシャル』(火曜午後8時) 2日放送分 個人5.9% コア4.4% ⑨日本テレビ『ぐるぐるナインティナイン2時間スペシャル』(木曜午後8時) 4日放送分 個人5.7% コア4.8% ⑩日本テレビ『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(火曜午後7時) 9日放送分 個人5.6% コア4.7% ⑩日本テレビ『1億人の大質問!?笑ってコラえて! 2時間スペシャル』(水曜午後7時54分) 3日放送分 個人5.6% コア2.9%  視聴率の合格ラインは個人3%程度、コア2%程度とされるので、それに比べるとバラエティ上位組の数字はかなり高い。ドラマで個人視聴率の数字が7%を超えているのはTBS『ブラックペアン シーズン2』(日曜午後9時)くらい。ほかには同5%を超えている作品すらない。  また、ドラマと比べてバラエティの制作費は割安。1時間ドラマの制作費は平均3000万円だが、バラエティはその3分の2から半分程度でつくれる。ただし、動画配信などの2次利用収入はあまり期待できない。

中高年から絶大な人気の『ザワつく! 金曜日』

 1994年に始まった『世界の果てまでイッテQ!』は個人もコアもトップ。特にコアのトップは不動である。家族一緒に観られるところが強みだ。MCはウッチャンナンチャンの内村光良(60)が務めている。  数々の人気コーナーを持つ。その1つ「世界で一番盛り上がるのは何祭り」の14日放送では、リポーター役の宮川大輔(51)がイタリア中部の小さな町へ飛んだ。いつもながら祭りの高揚と宮川のテンションの高さは合う。イモトアヤコ(38)をスターにした「珍獣ハンター」も衰えを知らない。 『イッテQ!』について日テレの幹部と話すと、「日本で一番利益が出ている番組」と胸を張る。人気がある分、CMの価格も高いからだ。スポンサーになりたい企業が後を絶たない。  それなのに不思議と終了説を流されることがある。日テレ内で打ち切りが取りざたされたことは1度もない。他局にも『イッテQ』が終わると思っている人間はいないだろう。もちろん秋以降も継続する。  2018年から始まった『ザワつく! 金曜日』は中高年からの人気が絶大。一方でコア世代にはあまり観られていない。メイン出演者の長嶋一茂(58)石原良純(62)高嶋ちさ子(55)が50代以上だから、やむを得ない。司会進行のサバンナ・高橋茂雄(48)が若手に見えるから不思議だ。  12日放送では一茂ら3人が昭和期にオープンカーが流行したことについて振り返った。中高年にはたまらない番組に違いない。番組側はコア世代におもねるつもりがないのだろう。
ザワつく!金曜日

『ザワつく!金曜日』番組公式HPより

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「BPOがバラエティをつまらなくした」は的外れ
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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