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生活保護家庭“夏休み”のリアル。酷暑でもエアコンは「極力使いません」ズボンは穴が開いても買い替えられず

物価高で肉が買えなくなり豆腐やこんにゃくばかりに

酷暑ルポ 貧困家庭[地獄の夏休み]

鈴木さんのある日の夕食。肉類が少なく、野菜が中心の質素なメニューだ

そんな生活に今夏の物価高が鈴木さんに襲いかかる。 「以前と同じ食料を揃えるのに1.5~2倍近いお金がかかるので、食材も変わりました。お豆腐、こんにゃくといった安い食材ばかり。牛肉や豚肉はほとんど買わなくなり、選ぶのは鶏肉のみ。食材が偏ってしまって、子供たちの成長を思うと心配です。春から近所の畑で野菜の育て方を教えてもらっていて、そこで採れた野菜を好意で譲ってくれるので、助かっています」 キッチンの片隅にはフードバンクの食料が並ぶ。
酷暑ルポ 貧困家庭[地獄の夏休み]

フードバンクで譲ってもらった食材

「食品のほか、服がもらえるのでフードバンクは重宝しています。とにかく服を買うお金がないので。子供の服の半分はもらったもの。上の子の分をもらって、お下がりを下の子に着せています。ズボンは穴が開いても買い替えられず、履き倒しています」

酷暑の中、エアコンは「極力使いません」

家の中にクローゼットらしきものはない。服はダンボールに入ったままだ。一方、エアコンからは生ぬるい風が出ていたのが気になった。 「送風モードですね。光熱費はできる限り節約したいので、極力使いません。どうしても暑い日はエアコンをつけますが、送風を午前中の2~3時間つける程度。アパートの気密性が低いのでなんとかなっていますが……。子供たちとは、『暑さを楽しもう』みたいなスタンスでやっています」
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家族旅行や習い事など体験の格差は広がる一方
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