歯ブラシだけでは、どうしても歯と歯の間を磨くことはできません。また、舌上には細菌や剥がれた粘膜など、多くの汚れや細菌が蓄積しています。 当院にいらっしゃった患者さんの中にも舌上の汚れが目立つケースがあります。歯磨きの方法、歯間清掃ができるようになりモチベーションが上がった際に舌清掃も指導させて頂いています。 歯間清掃と舌清掃には正しい方法、個人個人に適したツールがあります。歯磨きだけではなかなか口臭が消えないと感じている方は歯科医院で歯ブラシの使用法はもちろんのこと、歯間清掃、舌清掃の方法やツールについて指導を受けた上で行ってみてください。 口臭が気になった際、口臭対策のスプレーやスッキリするガムを噛む人が多いはずです。私たち歯科医師は、会話の最中の口臭でどんなことが原因で生じているのか、おおよそのアタリをつけられるほど口臭には敏感なのですが、こういった製品の効果は、どうしても一時的なものだと感じています。また、完全にはカバーすることができず、そもそも口臭の強さ自体は変化していません。 ガムは噛むことで唾液の量が増えて細菌の洗い流しに役立つため、効果がないわけではありませんが、口臭が生じた原因を直接改善するわけではありません。 また、口臭が気になった際に飴を舐める人もいるのですが、飴は砂糖が含まれているため、かえって細菌の活動を活発にしてしまい、より口臭を強めてしまう可能性が高いです。 継続した口臭が生じるのには必ず理由があります。自分の力で改善を試みてもなかなか改善しない場合は、歯科医院で相談をしてみてください。 ＜文／野尻真里＞一般診療と訪問診療を行いながら、予防歯科の啓発・普及に取り組んでいる歯科医師です。「一生涯、生まれ持った自分の歯で健康にかつ笑顔で暮らせる社会の実現」を目標にメディアで発信をしています。X（旧Twitter）：@nojirimari