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「両親や彼女からの手紙」をスキャンして捨てる…新入社員の行き過ぎた“合理主義”にドン引き

失言した有名人をネット上で叩く人たち

 他人の呟きが自然と目に飛び込んでくる時代だからこそ、こういった嘆きが生まれるのかもしれない。これも便利の代償といえそうだ。  大学3年生の小林佑月さん(仮名・21才)は掲示板やSNSについて思うことを話してくれた。 「失言した有名人をネット上で叩く人たちっているじゃないですか。一つの文化みたいになってますけど。誰かが炎上してバッシングと擁護の争いが始まる、みたいな。気持ちはわからなくもないんですよ。なんか意見を言いたくなっちゃう。でも、身内の人間ならともかく、全然関係ない一般人がムキになって叩く理由がわからないんです。世の中全体がそういった行為を許容している感じも理解できません。  大袈裟かもしれませんが、その失言者が仮に自殺したとしても、追い込んだ人たちは知らんぷりするわけでしょ。なんだかなーって思いますよ。私の知り合いにもそういう子がいて、その子はずーっとネットに張り付いて有名人叩きをしてます。そんなことして幸せなのかなって疑問に感じますよ」  言論の規制がないのはいいことなのかもしれないが、発信する側と受け取る側では重みが全然違うだろう。政治家やスポーツ選手に対するバッシングも、もしかしたら似たようなものなのかもしれない。

「電話がしたくない」21才の彼女

  「ひと回り以上年下の彼女がいるんですけど、価値観が違うなって思うことがありますね」  電子機器のメーカーに勤める林誠さん(仮名・37才)はマッチングアプリで知り合った21才の女性と付き合っている。 「僕らの世代って電話することに抵抗がないというか、たまに長電話するのが普通だったんですね。高校生の頃はスマホもない時代だったし、ウィルコム二台買ってダラダラ電話するのが当たり前だったんです。だから彼女と付き合いたての頃、週に1回、1時間ぐらい電話してたんです。そしたらある日、電話はしないでほしいってすごく怒られまして。理由を聞くと、時間を奪われると。それ以外のことができなくなるから、電話はしたくないって言うんです。 で、彼女が何をするのかというと、YouTubeですよ。時間を奪うなって怒っておいて、2時間もしょーもないYouTuberの動画を観るんです。なんか納得いかないですね。あと彼女、散歩も嫌いなんですよ。意味がないからって。二人で鎌倉の海沿いを歩いてもずっと歩きスマホですよ。スワイプしていいねを押す作業をずっとしてるんです。すぐに価値や意味をつけたがるのって病気ですよ、病気」  そういった癖は少なからず誰にでもありそうだ。電車を待つ時間や移動時間にスマホを眺めてしまうのもそうだろう。林さんには変わらずこのままでいてもらいたい。     以上、四名のエピソードを紹介させていただいた。この十数年でガラリと変わったこの社会は、30年後にはどうなっているのだろうか。 <TEXT/山田ぱんつ>
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