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“アメカジブーム”の終焉… 「若年層の知名度が低い」大手販売店の相次ぐ買収も“当然の結果”か

債務超過寸前にまで追い込まれたライトオン

ライトオン

beeboys – stock.adobe.com

 ライトオンを買収するのは、アパレル大手のワールド。ライトオン創業家は持株のすべてを売却し、ワールドが51%超の大株主となる予定です。藤原祐介社長は退任。ワールドの常務執行役員である大峯伊索氏が社長に就任します。  ライトオンは昨年、単独での事業継続が困難な状況にあり、他社とのアライアンスを検討する必要があるとの見解を取引先金融機関から示されていました。  マックハウスと同じく業績は低迷しており、8期連続の減収。2期連続の営業赤字でした。  2024年8月期は35店舗もの退店をして売上高が前期比17.3%減と急減したうえ、商品評価損を計上したことが影響して50億円もの営業損失(前期は9億2200万円の営業損失)を出しました。ライトオンは2期連続で営業キャッシュフローがマイナスになっています。また、大赤字を出したことが影響して自己資本比率が46.3%から1.6%に急降下。債務超過寸前でした。

「堅実な経営」を続けていれば…

 この2社に共通するのは、増収へのこだわりが根強く残っていたこと。  ライトオンは、コロナ禍の2021年8月期に販管費を抑制した影響で、営業利益を出しました。翌期も黒字。勢いづいたライトオンは、2023年8月期に増収計画を立てて仕入を先行。しかし、計画していたほど売れず、在庫を消化するために値引き販売が増えて10億円近い営業赤字を出してしまいます。  金融機関から他社との協業を検討するよう進言されたのが2023年2月。この経営判断のミスが後のワールド買収の引き金となっていたことがわかります。  ライトオンは数十店舗の退店を重ね、販管費を抑える堅実な経営を続けていました。それを粛々と続けていれば、形は少し違っていたかもしれません。
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不採算店の整理が遅れたのは痛手だった
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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