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昨年の渋谷ハロウィンはどうだった? 規制強化の「一方通行の道をひたすら歩いてみたら…」――仰天ニュース傑作選

交通整理がなかったら…

警察官のホイッスル

常に警察官のホイッスルが鳴り響く

 取材を終えて一夜経った今でも、筆者の耳にはホイッスルのけたたましい音が焼き付いている。 「立ち止まらないでください!」 「路上飲みは禁止です!」 「右側通行にご協力ください!」 「歩きスマホはご遠慮ください!」  午後8時を過ぎる頃になると、警察官のホイッスルはまるで発狂したかのような状態になった。さらに大勢の人が集まり出したのだ。  この時点で、JR渋谷駅のハチ公口は閉鎖。群衆事故防止のために迂回路が設けられ、筆者を含めた来訪者は強制的にそこへ誘導させられた。「強制的」という言葉は適切ではないと指摘されてしまうかもしれないが、現実としてそうだったのだ。  強制をしなければ本当に事故が発生してしまう、と思った瞬間がある。 渋谷ハロウィン それは午後9時頃、渋谷センター街から井の頭通りへ接続する道を進んだ時だ。突然多くの人がこの道へ入ったため(道幅は決して広くない)、一気に密度が高くなった。筆者と同行していた取材助手は、 「ヤバい、これ早く離脱したほうがいい!」  と、叫び出した。大人数による交通整理がなければ、韓国・梨泰院のような群衆事故が渋谷で発生する可能性は確かにあったのだ。

クラスターフェス活動家はどこへ行った?

コスプレ

コスプレしている人の大半が外国人だった

 さて、例年の渋ハロではYouTuberが自撮り棒片手に参加するという光景が見られた。今年はもしかしたら外国人迷惑系YouTuberが何かしでかすのでは……とも推測したが、それは憶測のうちに終わった。  繰り返すが、今年の渋ハロはとにかく「歩き回る」ことを強要された。友人と現地で待ち合わせ、などということはとてもできない。一方通行の道にスマホを設置したスタンドを立てて、音楽に合わせてダンスする猛者も確かにいたが、この人物も警察官や警備員に追い立てられながら何とか粘っている……という具合だった。  なお、パンデミックによる外出自粛期の渋谷で異彩を放っていたクラスターフェス活動家グループ(“コロナは風邪”と主張していた政治団体)は、今年の渋ハロでは影も形も見当たらなかった。「パンデミックなど存在しない」とすら主張していた彼らは、つまるところパンデミックがなければ存在すら叶わない「時代のつむじ風」だったのだ。
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悪貨を駆逐する良貨
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ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー

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