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「産んだことを後悔している」両親から虐待を受け続けた女性の半生。現在は「加害者を気にしている時間などない」

加害者を気にしている時間などない

 manaさんはこれから、目指す姿があるという。   「大病を経験してあとどれだけ生きられるかわからないから、加害者を気にしている時間などないのです。生きる気力をなくしている人たちが一人でも私の生き方を見て、『もう少し頑張って生きてみよう』と思ってくれたら、私は生まれた意味があったと思えるんです」    他者に汚された記憶を後ろめたさとして捉えず、被害だとまっすぐに言えるまでには時間がかかる。まして加害者が知らぬ存ぜぬを貫いたらどうか。二次被害の甚大さは計り知れない。翻ってmanaさんの物言いが上滑りせずに聴く者の心へ届くのは、被害体験を誇張も矮小化もせずにありのまま保存して言葉を紡ぐからだろう。言葉に傷ついてきたmanaさんが、言葉によって人を助ける職業を選んだ。人は人によって傷つくが、人によって回復する。自らの人生を生きるとはどういうことか、manaさんの一言一言が語りかけてくる。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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