更新日:2024年11月10日 17:48
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トランプ勝利で「高級腕時計相場は活性化する」。腕時計投資家の根拠とは

2020年からの腕時計相場

・2020年:安倍首相⇒菅首相/トランプ大統領 2019年夏から相場全体は下落傾向となっていたわけですが、そこに新型コロナが登場。緊急事態宣言が日本で発令されると、腕時計相場は「結構な下落」となりました。その際、ノーチラス(5711/1A-010)は、600万円程度にまで値下がりしていたといえます。ただ、2020年夏頃には、相場の下落が収束。2019年から続いた「下落トレンド」は、ちょうど1年ぐらいで終わったといえます。 そして、2020年8月頃からは、一部腕時計が上昇したのですが、この頃値動きしたのが、オーデマピゲのロイヤルオークやロレックスのK18モデルなど。これらは、その頃まで「特に目立って動く」という感じではなかったため、「目立って動くモデルが変わった」といえる節目でした。2020年9月から菅政権になったわけですが、「相場が安倍内閣時を超える」という状態になったといえます。以前の記事で触れた「安倍晋三を超えられるのは安倍晋三だけ」ということが覆りました。 ・2021年:菅首相⇒岸田首相/バイデン大統領 さて、2021年から合衆国大統領はバイデン氏になったわけですが、この時期の腕時計相場はどうなっていたかというと、「前代未聞の上昇」であります。2020年に反応していなかった、ノーチラスやデイトナが2021年になると目立った上昇傾向となり、過去最高値を更新。ノーチラス(5711/1A-010)は、2021年春に初の1000万円超えという水準に達しました。 ・2022年:岸田首相/バイデン大統領 2022年も2021年同様「目立った上昇」という現象が発生。特に2月、3月といった時期の上昇が凄まじく、その時期多くのモデルが過去最高値を大きく更新していました。ちなみに、この頃ノーチラス(5711/1A-010)は、最安値が2600万円となっていた時期があります。しかしながら、4月になるとそういった「上昇」に陰りが見え、その後は相場が下落傾向に転じてしまいます。結果的に、2022年2月、3月といった時期の「上昇分」が全て失われてしまうという状態になったといえます。 そういった目立った下落は2022年夏頃まで継続したのですが、一部モデルについては、「2022年春の上昇分が失われる」にとどまらず、2021年夏水準ぐらいにまで下がっていた状態がみられました。ただ、2022年10月には上昇となるモデルが多々出現。2022年春水準までは回復しなかったものの、値上がり傾向となっているモデルが多くありました。その上昇傾向はそこまで長く続かなかったのですが、その後は「横ばい」といった様子だったといえます。 ・2023年:岸田首相/バイデン大統領 2023年になっても、人気モデルの多くは「横ばい」といった状態が続いていたといえます。ただ、この時期から、それまで目立った上昇という印象がなかったモデルが上昇するように変化。特に、90年代頃のカルティエとオメガで上昇するモデルが多い印象がありました。 ・2024年:岸田首相⇒石破首相/バイデン大統領 そして、2024年も人気モデルの多くは「横ばい」といったところ。ノーチラス(5711/1A-010)は、1500万円前後という水準となっているのですが、これは2021年春と同じといった状態であります。

今後はどうなる?

人気モデルを基準とすると、現在相場は「横ばい」といえるのですが、こういった状況は2016年と似ていると思います。そういった意味でトランプ氏が大統領選挙に勝利したというのは、相場上昇に影響するのでは?と思うところ。しかし、現在では世界的に「インフレを問題視している」という部分があります。 2020年のコロナショック後に財政政策を打ちすぎて、結果的にそれが現在のインフレを引き起こしたという指摘がありますが、それならばバイデン大統領の時期に「前期2年:目立った上昇⇒後期2年:横ばい」となったということが腑に落ちます。 そのため、トランプ氏が大統領に就任後、「インフレ対策」をする可能性があります。そうなると、2016年と今とでは、事情が異なるわけで、2017年のように「腕時計相場が目立った上昇」とならないかもしれません。 しかし、私個人の“勘”としては、トランプ大統領になることで腕時計相場が活性化=上昇するのではないかと思っています。 というのも、このところ「横ばい」という状態が続いていたわけですが、そういった「動かない」という状態が、トランプ大統領ということをきっかけに変わりそうだと考えたからです。 なお、YouTubeで高橋洋一チャンネルを見たところ、インフレの解決策は“需要/供給”の『供給を増やす』のが重要とのこと。現在、世界的にインフレに困っているといわれますが、実際、日々生活していて私個人的にも「ものが高い」と感じます。そういった状況をトランプ大統領が打破しようと考える可能性があるわけですが、対策が「供給を増やす」だった場合でも、高級腕時計市場には影響がないといえます。というのも、高級腕時計は日々必要なものではないため増産する必要がないからです。 ですから私は、今回のトランプ氏が大統領選に勝利というニュースが、腕時計の値上がりに作用するのではないか、と思っている次第であります。 政治の話については、私よりも詳しい人がたくさんいらしゃいますが、私としては、これまでの各年の大統領と腕時計相場変化を見ると、トランプ大統領になるということが、「市場が活性化する」という方向に向かうと感じます。 <文/斉藤由貴生> ※個人の意見であるため、「値上がり/値下がり」どちらの値動きになるかの責任は取れません。腕時計を買う・買わないはそれぞれの自己責任で判断してください。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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