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“大事に育てた娘”の彼氏は、51歳の見覚えがある男…「娘は私たちを裏切りました」絶望した父親の苦悩

“嫌いな同僚”が娘の肩に手を…

 大学の卒業間近のことだった。娘さんから斎藤さんにメールが届く。 「サークルの打ち上げで遅くなります。車で送ってもらうから安心して」  添付されていた写真を見て心臓がキュッと締まるような気がした。居酒屋と思われる場所には男女数十人がいる。そこに見覚えのある男がいた。その男は自分の娘の隣で笑顔でピースをしている。もう一方の手は、娘の肩に手をかけている。  間違いなかった。その男の年齢は斎藤さんと同じ51歳。人を小馬鹿にする、女好きの男だ。自分の大嫌いな男だった。 「嘘かと思いましたが、会社の同僚だったんです。違う部署ですが、当然話したこともあります。まさかと思いましたが」

「付き合っている」と聞き、激高してしまう

 斎藤さんはすぐに娘に電話をし、一緒に写っている男について言及した。聞けば、その男はサークルのOBだという。 「お前、そいつと付き合っているのか」  娘さんは誤魔化そうとしたが、父親の前では嘘がつけない性格だった。すぐに観念し、付き合っていることを報告した。 「私はカッとなってね、リビングを歩き回りながら、電話越しにずっと怒鳴っていました。娘が帰ってくると、玄関でビンタです。手を出したのはその時が最初で最後です」   娘に注いだ愛情や情熱がすべて無駄だったのかと思えた。身を粉にして働いて、命を削って娘を育ててきたはずだった。その結果がこれだ。何十年も愛してきた娘が、自分の嫌いな人間に奪われる。これ以上の屈辱はあるのか? 「それで、実はその日から私は娘に会っていません」
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あれから一年経ったが、今でも…
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