現代の結婚式は「自分たちらしく」を重視する方向に
―[[ありえない結婚式]呆然絵巻]―
経済や労働環境の変化により「自分たちらしく」を重視する方向に
’90年代の半ば頃からオリジナリティ重視の結婚式が広く注目されるようになり、伝統的な披露宴などを避ける傾向は年々強くなってきているように感じます。
バブルの頃までは、保守的な披露宴が一般的でした。年功序列・終身雇用が前提だった旧来の日本企業の場合、冠婚葬祭も会社としがらんでいた。結婚式も一人前の社会人として認めてもらう儀礼的な側面が強く、お約束どおりに終えることが美徳だったんですね。
ところが経済や労働環境の激変により、たとえば会社に義理立てする必要もなくなり、「自分たちがどうしたいか」というカップルの意思を重視する風潮が強くなっていった。また、体面のために無理な出費はせず、「派手な演出はないけど料理は美味しい披露宴」など、お金の使いどころを賢く吟味する機運も高まりました。
そうなると、どうしてもアイデアをひねる必要が出てくるわけです。インターネットの普及で、予備知識や事例にやたらと詳しいカップルが増えたことも大きい。
さらに最近は、親がお金を出さないかわりに、口も挟まなくなってきました。本人たちが「好きにやりたい」と言うし、自分たちも余裕はないし、とお客さん感覚でいる親も少なくない。要は、結婚準備段階でのストッパー役、ブレーキ役がいなくなってしまった。
結婚式は「自分たちの晴れ姿を披露する場」である一方、「大事な人たちをもてなす場」でもある。実は、その2要素のバランスをうまく取ることがカギなんです。
【清水 恩氏】 ウェディングナビゲーター。 新郎新婦の結婚準備サポートを行う 「Prima!」(http://www.prima-fraucommunity.com/)を主宰。 オールアバウト「結婚式の準備・段取り」ガイドも務める http://allabout.co.jp/gs/weddingplan/ ― [ありえない結婚式]呆然絵巻【6】 ―
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