更新日:2024年12月04日 09:35
ライフ

若い女性店員にばかり質問してくる“高齢の男性客”。「結局買わないんですよ」と悩む店側の対応が斬新すぎた

ある中堅女性スタッフが提案した妙案

 そんな中、入社13年目の女性スタッフSが提案した対応策は実に妙案だったそうです。 「彼女はもともと舞台女優を志していて、掛け持ちでうちのパートをしてもらっていたんです。その彼女からの妙案は、客の前で演技をするというものです。具体的には、接客の後半で『私には販売ノルマがあって、それを達成しないと売り場に立てなくなるんです』と訴えるという方法です。もちろん本気で嘘をついて商品を買わせるつもりはありません。涙目になれば尚良しとのことで、早速Sの指導の元、若手女性スタッフは演技指導を受けました」  最初は戸惑いの声も聞かれましたが、みんな競い合うようにバックヤードで練習したりして、やる気満々で売り場に出ていったそうです。 「Sさんは指導熱心で、男性スタッフを迷惑客に仕立て、自分が若手女性スタッフ役になりお手本ビデオを作成したほどです。なぜか、みんな楽しんで習得していました」

迫真の演技が功を奏した

家電量販店

※画像はイメージです

 いよいよ実践の日がやってきました。もっとも被害に遭っている若手女性スタッフが売り場でスタンバイしていると、まるで獲物を見つけたライオンのように、その迷惑な老人客は近寄ってきたと言います。 「その日は私も遠目で監視していました。予想通り、その老人客は楽しそうに若手女性スタッフと談笑しているように見えました。彼女も特に迷惑そうな表情は浮かべずにマニュアル通りの接客を行っていたと思います」  接客開始から30分ほど経過した時、入社13年目の女性スタッフSがインカムで合図を送ったようで、若手女性スタッフの表情が少し固くなりました。 「お客様、この商品をご購入されますか?もし、もしご購入いただけたら今後も売り場に立つことができるのですが、そうでない場合は明日からバックヤードのお仕事になるので、このような接客ができなくなるんです」  Sさんから指導を受けた通り、少し神妙かつ弱々しい声で迷惑老人客に告げた女性スタッフ。すると、それまで饒舌に話していた会話がぴたりと止まり、しばらく沈黙が続きました。その後辺りをキョロキョロと見渡したかと思うと、その迷惑老人は何も言わずに帰っていったのです。その後、迷惑老人客は来店しなくなったとか。 <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ