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野間口、辻内…巨人のドラフト1位で「継続して活躍できなかった選手たち」

1シーズン限りだが…投手陣の穴を埋める活躍を見せた桜井&鍬原

2019年の優勝に貢献したのが桜井俊貴だ。特に首位奪還を果たした交流戦では3試合で2勝0敗、防御率1.83を記録。さらに、夏場以降は疲れが見えていたものの、先発ローテーションの谷間としてシーズンを投げ切った。その後のシーズンで徐々にフェードアウトしていき、2022年に戦力外通告を受ける。2023年は巨人のスカウトとしてセカンドキャリアを歩み始めたかと思いきや、現役への未練があったのか、2024年からは社会人野球のミキハウスに“選手として”入社している。 入団当初は先発ローテーションの一角として期待されていたのが、鍬原拓也。脚光を浴びたのは、リリーフとして49登板を記録した2022年。しかし、防御率は5点台であり、大いに改善の余地が残されていた。鍬原もプロの世界に入ってすぐ怪我したことが痛かった。 学生時代に投げていた伸びのあるストレートを知っているだけに、高橋由伸が指揮を執っていた時代に先発と投げていたら……と思うと残念でならない。もっと早いうちにリリーフに転向していたら、中川浩太や田口麗斗のようになっていたかもしれない。 ===== いくらコンディションが良くても、主力が健在であれば出場機会に恵まれにくいのは自明の理。生き馬の目を抜くプロ野球の世界では、実力に加え強運も必要なわけだ。今回紹介した4人に関しても、どこかで歯車がかみ合っていれば、あるいは違った未来があったかもしれない。野暮な話であるが、ついそんな想像をしてしまう。 <TEXT/ゴジキ>
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55
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