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「ノルマがないのは不幸」大手生保会社営業の不安

◆「ノルマが存在しない」という地獄

 余裕なき組織が現場の人間に課す「ノルマ」という名の“十字架”。そのあまりの重みに耐えかねた悲痛な叫びは、今日もあちらこちらで上がっている。今、あなたのすぐそばでも起こっている、サラリーマンを襲う壮絶なプレッシャーの現実。そんな、ノルマ地獄の事例を見ていると、ノルマがない職種がうらやましく思える。だが、某外資系大手生命保険会社の営業として働く森川徹さん(仮名・32歳)は「明確なノルマがないのは逆に不幸」と語る。生命保険は営業成績がすべてと言われるが、ノルマがないとはどういうことなのか。

「僕の会社は基本給で10万円ぐらいはもらいますが、それ以外は自分の営業成績がそのまま収入に直結します。営業が取れれば高収入だけど、取れなければ給料を払わないだけなので上司からも特に何も言われない。完全にノルマは自己裁量なんです」

湾岸エリアの高層マンション

不安で眠れない夜もある…

 とはいえ、森川さんの自宅は家賃が数十万円はする湾岸エリアの高層マンション。そこに住めるのだから、かなり営業成績はいいはず。何がいったい辛いのか。

「今は稼げてますが、『いつ営業が取れなくなるか』とか、先のことを思うと怖くて消費意欲は萎える一方です。『こんなところに住んでいて、大丈夫だろうか』と不安で眠れない日も多い。だからこそ、『この仕事はいつまでも続ける仕事ではない』と意識しています」

 完全実力主義の世界に比べれば、ノルマさえこなせれば安泰な職場なら逆に幸せなのかもしれない。

― 実録[過酷すぎるノルマ]選手権【16】 ―




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