更新日:2025年07月03日 16:37
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国分太一「無期限活動停止」の波紋。松岡昌宏「知らない」発言で露呈した“コンプライアンス違反の謎”と10億円の違約金

国分太一(50)が6月20日に所属事務所の株式会社TOKIOから無期限活動停止処分とされてから約10日が過ぎた。処分の理由は複数のコンプライアンス違反があったためである。その中身は公表されていない。
国分太一

©産経新聞

無期限活動停止で生じる波紋

国分は『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界くらべてみたら』(TBS)などテレビ、ラジオで6本あった全てのレギュラー番組から姿を消した。ジャパネットたかた、丸亀製麺などのCMも降りた。 広告代理店は既に違約金の金額の算定も済ませている。「合計約10億円」(広告代理店スタッフ)。そのうちCM分は近日中に支払いが求められる。違約金は待ってもらえない。本人に支払い能力がない場合、エージェント契約を結んでいるスタートエンターテイメントが立て替えることになる。 31年にわたって所属してきたTOKIOは6月25日をもって解散。2021年に設立された株式会社TOKIOも整理される。会社整理は仕方がない。TOKIOメンバーで副社長の松岡昌宏(48)は同27日に愛知県東海市内で取材対応したが、自分も社長の城島茂(54)も国分のコンプライアンス違反の中身が分からないと言うのだから。 「城島も自分もうちのスタッフも、誰も知りません」(松岡) 「答えられない」ではなく「知らない」。コーポレートガバナンス(企業統治)の観点から見たら、もはや株式会社の体を成していない。タレントによる会社運営のポーズに過ぎなかったことを露呈した。 同29日放送のTBS『アッコにおまかせ!』(TBS)の和田アキ子(75)など情報番組は揃ってタレントとしての松岡の潔い態度などを讃えた。それに異論はない。半面、松岡には副社長としての立場もあることが忘れられていた。

会見しない芸能人たち

国分のコンプライアンス違反の中身は松岡も明かさなかったため、分からないまま。当の国分は会見を開く素振りもない。ただし、会見を開かないのは国分ばかりではない。お騒がせタレントが滅多に会見を開かなくなった。香川照之(59)もそう。約3年前、東京・銀座のホステスにセクハラを行ったと『週刊新潮』に報じられたものの、会見はしていない。 香川も全ての仕事を失った。興業である歌舞伎にこそ約半年後に復帰したものの、ドラマに出演したのは今年4月。しかもスポンサーの存在しないBSデジタル有料放送のWOWOWだった。 スポンサーは商品や企業のイメージを上げるため、大金を投じて番組を提供し、CMを流す。視聴者が受け入れない可能性のある芸能人はわざわざ起用しない。 一方で会見が視聴者の悪感情を緩和する免罪符になることも珍しくない。世間の共感や同情を誘える可能性があるからだ。うまくいけば世間の許しが得られ、テレビ復帰が早まる。 それでも香川が会見しなかった理由の1つは、吊し上げを嫌がったからではないか。会見をする芸能人を袋叩きにする記者は昔も今もいる。 ダウンタウンの松本人志(61)は『週刊文春』の性加害疑惑報道を受け、約2年半前から芸能活動を自ら休止している。やはり会見をしていない。このまま秋ごろまでには相方の浜田雅功(62)と動画での活動を再開するという。こちらも基本的にはスポンサー不在である。 松本は昨年12月、一部マスコミの単独インタビューを受けたものの、これは免罪符になりにくい。単独インタビューだと芸能人側が都合のいいことだけを話しているように受け取られがちだからだ。昔からそう。 たとえば2007年、主演映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶で司会者から質問をされた沢尻エリカ(39)が、不機嫌そうに「別に」と答えたところ、大顰蹙を買った件があった。直後に沢尻はテレビ朝日のワイドショー『スーパーモーニング』(当時)の単独インタビューに応じ、ときには大泣きしながら釈明したが、イメージ回復にはほとんど役立たなかった。
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日テレ福田社長が明らかにしたこと
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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