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「肝心の麺が残念かも…」吉野家から初の“麺メニュー”が。牛丼(並)より269円高い「牛玉スタミナまぜそば」を実食した結果

7月4日、牛丼でおなじみの吉野家から初の麺メニューが発売されました。その名は、「牛玉スタミナまぜそば」。これは近年騒がれている米の価格高騰についての短期的な対策ではなく、吉野家HDが目指す“ラーメン事業強化”という側面から解釈、評価していく方が面白そうです。 同社は5月の中期経営計画の中で「ラーメン提供食数世界NO.1構想」の実現を掲げ、ラーメンを第3の柱として成長させていく戦略を明言しています。昨年、京都の製麺会社である宝産業を完全子会社化するなど、その本気度はただなりません。 今回のまぜそばの実力について、吉野家ファンはもちろんのこと、多くの人々が注目していることは間違いありませんから、発売日当日に実食して、素直な感想をレポートしてみることにしました。私はリアルな食文化をリサーチするために、ファミレス、牛丼チェーン、ファストフード、星付きレストランなどを広く実食していますが、どのくらいの話題性や賞賛を呼び起こすか、冷静かつ公平に判定してみたいと思います。
牛玉スタミナまぜそば

7月4日から発売になった「牛玉スタミナまぜそば」。一体どんな味なのか?素直にレポートします!

価格は牛丼(並)より269円高いが、おいしいのか?

牛玉スタミナまぜそば

生卵と半熟卵が選べるが、私は生卵を選択。にんにくマシマシだれは別添になっています。

注文後、牛丼の提供スピードと大きく変わることなくすぐにやってきました。麺の上に乗っているのは、牛煮肉、天かす、青ネギ。卵とにんにくマシマシだれは別添で提供されます。価格はイートインが767円、テイクアウトが753円で、牛丼並よりも269円高いことになります。卵の有無を差し引いても151円の価格差となり、この違いは期待感に直結すると言っても過言ではないでしょう。牛丼以上の感動がほしいところ! うん、これはおいしい! 濃厚さ、まろやかさ、コク、ニンニク感、どれをとっても秀逸です。吉牛の世界観にニンニクのパンチ感、魚粉の旨味が組み合わさり、それが小麦麺と絡み合うことで生まれる新しい味わい。吉野家らしい独創性をしっかり感じることができます。牛丼のおいしさも思い出しながら、麺箸がどんどん進みます。

最強トッピングは「紅生姜」。有料でオススメは?

牛玉スタミナまぜそば

追加でトッピングするなら、まずは紅生姜。

食べ進めていくと、全体的にまろやかな味わいゆえに、酢をかけたい気分に。しかしながらその欲求を見事に満たしてくれたのが紅生姜でした。今回トッピング候補として注文画面上で提案された6種(塩さば、納豆、肉だく、ねぎラー油、キムチ、のり)をすべて試してみましたが、紅生姜が最強。 さらに追加するのであれば、旨味と食べ応えをアップしてくれる塩さば、辛味と酸味を増強してくれるキムチが、味や栄養のバランス的には良いと感じました。
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トッピングを増やしていくと、吉野家オールスター感を楽しめる
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食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12

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