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「やらなければ殺される」カンボジアが詐欺の一大拠点に…中華系マフィアが牛耳る“園区”の恐怖

 東南アジアの中央に位置するカンボジアが、世界中に被害を与える一大詐欺拠点となっている。  汚職と腐敗政治が蔓延る同国の土壌が、この数年で急激に治安を悪化させ、その矛先は我が国にも向けられている。その現状に迫った。

万単位の犯罪集団が巣食う超大型特殊詐欺拠点が点在

カンボジア[詐欺拠点]の全貌

’23年、カンボジアで拘束され日本へ送還される容疑者たち。日本領空に入ってから逮捕されるのが通例だ

 カンボジアの北西部、タイとの国境に位置するポイペトは元来、カジノで知られる街だ。東京から約4500㎞も離れた東南アジアの田舎町で、日本人が29人も拘束されたのは5月下旬のことだった。  現地を取材したルポライターの安田峰俊氏が解説する。 「捕まった日本人たちは特殊詐欺グループのメンバーとみられ、町の中心地から少し離れた『金河園区』と呼ばれるエリアに居住していました。『園区(パーク)』とはもともとは工業団地を指す中国語なのですが、転じて“大型詐欺拠点”を指す言葉として使われるようになり、同じような建物がずらっと並ぶ数万人規模の園区もカンボジア国内には存在します。出入りは厳しく制限され、高い塀や有刺鉄線などで“外の世界”とは隔離されているのが一般的です」

法もモラルも通用しない区画で拘束される

 カンボジアで地下銀行を生業とするAは、園区の内情に明るい一人だ。中での暮らしぶりについて、こう語った。 「一度園区に入ったら簡単には出られない。パスポートは没収、朝から晩まで休みなく詐欺に従事させられ、成績が悪ければ拷問だってある。このへんの事情は実話に基づいた中国製作の映画『No More Bets』が流行ったことで、国際的にも知れ渡った。だから、ポイペトで拘束された日本人たちの判決に興味がある。『(詐欺を)やらなければ殺されていた。仕方がなかった』って主張するだろうから」
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中華系マフィアと切り離せない財閥がカンボジアに
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