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「辞めたいと思った時期も…」引退を考えた麻生久美子(47)が『時効警察』で救われた“意外な理由”

 1995年の映画デビューから30年になる麻生久美子(47歳)。彼女が出演する映画『海辺へ行く道』が現在公開中だ。この作品では、海辺の街を舞台に、思春期の子どもたちと、秘密を抱えたいびつな大人たちの姿を映し出している。
麻生久美子さん

麻生久美子さん

 主人公を取り巻く“大人”のひとりを演じた彼女に、子どものころに抱いていた大人のイメージを訊ねると、「大人って“なんでもできる人”だと」「そんなことないんだと気づいてがっかりしました」との答えが返ってきた。さらに俳優業に悩んだ時期のこと、盟友・オダギリジョーの印象についても、キュートに笑い飛ばしながら話してくれた。

映画になると“監督のマジック”が…

——アーティスト移住支援に力を入れる海辺の街を舞台に進む、ふわっとした優しい空気ながら、いびつさも魅力的な作品ですが、脚本の段階で雰囲気をつかむのは難しそうな感じがします。 麻生久美子(以下、麻生):そうなんですよ! 横浜(聡子)監督にも、失礼を承知で伝えてしまいましたが、脚本はあくまでもガイドのような感じなんですよね。もちろんストーリーもセリフもあるのですが、横浜さんの作品って、そのセリフをもとに、現場で撮られた映像で出来上がっていくので、脚本の段階ではどうなるかわからないんです。
麻生久美子さん

(C)2025映画『海辺へ行く道』製作委員会

——横浜監督と組むのは3作目(『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』)ですが、これまでの作品を含めた印象ですか? 麻生:はい。今までの経験から、「この通りにはならない」と思って脚本を読んでいました(笑)。三好銀さんの原作漫画がありますけど、そちらも淡々としていて、とても横浜さんっぽいと思いました。私は原作の、登場人物の表情が乏しい感じがすごくいいなと。こちらの想像力をかき立ててくれるなと思っていましたね。そのことで不穏な感じもしましたが、そこが面白くて。横浜さんもそういうところに惹かれていらっしゃるだろうし、似た世界観があるのだろうと思いました。ただ映画になると横浜さんのマジックがかかるので、全然違うものになるんじゃないかと。実際そうなりました。

40歳を過ぎて「どう見ても大人だよな」

麻生久美子さん——本編にはさまざまな大人たちが登場しました。麻生さんが子どものころに抱いていた大人のイメージは、どんなものでしたか? 麻生:子どもの頃は、大人って「なんでもできる人」だと思っていました。大人にさえなればしっかりするし、何でもできると思っていたんですけど、実際に自分が大人だと言われる年齢になると、そんなことないんだと気づいてがっかりしましたね。 ——がっかりですか(笑)。 麻生:しっかりした大人になるためには、それなりの勉強もしないといけないし、それなりのものを積んでこないといけない。ただ年齢を重ねるだけじゃダメなんだと。「あれ、ひょっとして自分、大人と言われる年齢になってる?」って、ふと振り返って(笑)。 ——そうした年齢だと感じた瞬間とは、いつぐらいのときでしたか? 麻生:40歳くらいかな(笑)。30代くらいでも少し考えましたけど、「でもまだ子どもかな。まだ言い訳できるか」と思って自分を眺めてました。でも40歳を過ぎると「どう見ても大人だよな」と(笑)。そこからは言い訳せずに、ちゃんと大人らしい振る舞いをして、ちゃんとしないといけないと考えるようになりました。 ——ちゃんとした大人、ですか。 麻生:子どもとどう向き合うかとか、幻滅されたくないというんですかね。“大人としてどうあるべきか”みたいなことを意識しだしたのは40代に入ってからかなと思います。
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『時効警察』との出会いで心境が変化
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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『海辺へ行く道』は全国順次公開中
公式サイト https://umibe-movie.jp/
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