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「私ね、運がいいんです」麻生久美子が語る“この人と出会ったから、今ここにいる”3人の恩人

 芸能活動開始から30年となる麻生久美子(45歳)。もともとアイドル志望だった彼女にとって、1998年公開の今村昌平監督作品『カンゾー先生』への出演で一気に注目を浴びたことが、俳優への道を歩む大きな後押しになったことは、知る人も多い。
麻生久美子

麻生久美子さん

 その『カンゾー先生』より前の出演作である『猫の息子』(1997)で共演した藤竜也と、26年ぶりの再共演を果たした『高野豆腐店の春』が公開中だ。父娘の日常や、彼らを取り巻く人々との人間模様が広島・尾道で紡がれていく物語。  本作では、豆腐屋を営む職人かたぎの父・辰雄と、一人娘・春の親子役でがっつり組んだ。俳優として輝き続ける麻生が、こうして歩み続ける今を「巡り合わせでこの道に導かれたと思っている」「一番大切にしているのは人」と語った。

計算されたシンプルさに惹かれた

――最初に脚本を読まれた時は、どんな印象でしたか? 麻生久美子(以下、麻生):スッと読めて、すごくシンプルで、そのシンプルさにまずは惹かれました。でもそれってきっととても計算されていて、練りに練ったからこそ、ここに落ち着いたんだろうと。映画を観たら、さらにそう思いました。笑えるし、考えさせられるし、それぞれのストーリーがあって思いがあって、本当によくできていると思いました。とても日本映画らしい日本映画で、このところそうした作品に全然出ていなかったので、声をかけていただいてとても嬉しかったです。

現場で自分から提案することはない

高野豆腐店の春

(C) 2023『高野豆腐店の春』製作委員会

――本編は、早朝、豆腐を仕込む父のもとを、春さんが「よろしくお願いします!」と体を90度に曲げて挨拶しながら入ってくる姿から動いていきます。 麻生:きっちりと90度。あれは三原(光尋)監督の希望です。私は自分から提案するとか、そういうことってないんです。監督は自ら脚本を書かれている方もいるし、そうでなくてもその作品について考えている時間がやっぱり全然違う。私も頑張りますが、まずは監督が作りたい世界を作れるのが一番だと思っているので、余計なことはしないほうがいいと思っていて。まあ、余計なことではないかもしれないので、私のよくないところでもあるかもしれないんですけど……。私は意見が特にないんです。 ――あえて持たないようにしているのでしょうか。 麻生:そうですね。持たないとも言えます。そうやってずっとやってきたので。まっさらな状態で現場に入る。自然に芝居をしているなかでアドリブ的な感じで出てくるもの、今回で言えば、(藤さんと)腕を組んだのは自然にそうなっちゃったので、そういうのは台本にはないんですけど、自分から「こうしたいんです」とはわざわざ言いません。監督に「春ちゃんはこうしたいんです」と言われたら「分かりました」と言うだけ。つまらない役者かもしれないけれど、基本的に何も言わないタイプ。どの現場でも同じです。
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26年ぶりの再共演も会った瞬間から大丈夫!
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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【公開情報】
映画『高野豆腐店の春』は全国公開中
(C) 2023『高野豆腐店の春』製作委員会

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