「自分の浅はかさを今でも強く悔いる」コロナワクチン接種後の死亡報告2,295件、医師たちのドキュメンタリーが問う“科学の本質”
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行して2年以上が過ぎ、自粛の日々は遠い過去になりつつある。しかし、その一方で、多くの新型コロナワクチン接種後の死亡報告があり、また、極度の倦怠感の増長や歩行不全、睡眠障害などの後遺症に悩んでいる方々が現実に多く存在することをご存知だろうか。
果たしてコロナワクチン接種の有効性や正当性はどれほどあったのだろうか――。そんな疑問に対し、医師や研究者たちが科学的な検証を試みようとする姿を追ったドキュメンタリー映画がある。その名前は『ヒポクラテスの盲点』。公開以来、満席が続出。公開館は全国で拡大し、パンフレットは公開から3日で多くの上映館で完売した。
まず、目を見張るのは信じがたい事実の数々だ。コロナワクチン接種後の副反応疑い死亡報告は2,295件(2025年3月末時点)、コロナワクチン接種による体調不良等の副反応疑いの総数は37,555件、重篤例は9,325件(2024年8月4日時点)。いずれも副反応疑い報告制度に基づいて集計された厚生労働省による発表数だ。
その後も目を疑うようなデータがスクリーンに流れる。戦後下がり続けていた日本人の年齢調整死亡率(高齢化の影響を除外した統計)がコロナワクチンの接種を開始した2021年から急激に上がったと共に、戦後伸び続けていた日本人の平均寿命は2021年を境に短くなった(出所:Yuriko Hirai et.al 臨床評価2024年52巻2号「新型コロナワクチン接種後の大動脈解離:症例と厚生労働省への死亡報告,そして文献的考察」より)。
2回目の接種をした5日後に死亡した男性の遺族は「何が起こったのか知りたい」と語る。妻と生まれたばかりの6ヵ月の男児との突然の別れ。遺体の解剖後わかったのは、心筋細胞が断裂していたということだった。健康そのものだった28歳の男性の身に、なぜ、このようなことが起こるのか……。他にも接種後に寝たきりになった10代の若者たちが何人もいる。
福島雅典医師(京都大学名誉教授)をはじめコロナワクチン接種後の死亡例や後遺症の救済や治療法の開発に懸命に取り組む医師たちは、時折、涙を詰まらせてインタビューに応じていた。
医学の祖・ヒポクラテスは言った、「何よりもまず、害をなすなかれ」と。「ワクチンを打たなければならない」という雰囲気に覆われた社会に盲点はなかったのだろうか――。
この映画は重大な事実を、淡々と描いていく。しかし、なぜ、こんな大事なことを今まで自分は知らなかったのか?そんな疑問を抱えながら、企画・監督・編集を担った大西隼監督に制作の経緯や意図などを聞いた。
――制作の経緯についてお聞かせください。
大西:大学院に進学して、博士論文ではRNAとタンパク質の相互作用について研究していたこともあり、コロナワクチンがメッセンジャーRNAを用いた新技術であることはずっと引っかかっていました。そして、ある時スマホでYoutubeを見ていたら、福島雅典医師による2023年2月の記者会見がたまたま目に入りました。コロナワクチン接種と死亡率に関するデータを厚生労働省に対して開示請求したところ、不開示とした決定を取り消すことを東京地裁に提訴した時の会見です。
無意識レベルで気になっていたことが、パチンと弾けたというか、この先生は科学と事実をもとに真実を見ようとしている、語ろうとしていると直感しました。半年ほど考えた末、福島医師に取材を申し込みました。
2023年当時も、コロナワクチン接種後の副反応疑い死亡報告はすでに2000件を超えていたのに、接種の推奨は続いていた。何が起こっているのかを知りたいという気持ちを抑えられなかったです。本当にワクチン接種の有効性や正当性はどれほどあったのだろうか、自分の体にとってはどうだったのかと…。それを知るための一番の近道が、福島医師の肩越しにカメラを回すことでした。
そして、取材を始めてからは、福島医師の医師・科学者としての矜持や責任感、憤りや感情の部分も含めて、人間的な厚みに圧倒されました。
――福島医師は、客観的な事実をもとに検証する姿勢を貫いています。ワクチン接種には、そもそもリスクが伴うということを前提に医師は行動すべきだと、著書『科学という名の信仰 新型コロナ「ワクチン」政策を問う』(岩波書店)でも説いていますね。そして“反ワク”という言葉が議論を止め、科学的な検証を妨げてしまうともはっきりおっしゃっています。
大西:コロナワクチンが善なのか悪なのか。この作品で二項対立的にジャッジしようという考えは、全くありません。実際、この問題に取り組む医師や研究者の方々において、全く同じ見解の人はいないと思います。
「はい、これが答えです」というような絶対普遍の正解は、科学ではありません。反証されることに対して開かれていることこそが科学の本質であり、それはコロナワクチンにおいても変わらないでしょう。だからこそ、僕にとっては虚心坦懐に事実を記録し続けることが大切です。そして、医師や研究者の方々は専門的な見地からさまざまなデータを検証して論文を書かれています。
立場や考えが違っても議論をし続けるべきなのですが、それを妨げる象徴的な言葉が「反ワク」だと思います。本当に危険な言葉です。言葉自体にネガティブなニュアンスを含む、強烈なレッテルではないでしょうか。
哲学者のヴィトゲンシュタインは「私の言葉の限界が私の世界の限界だ」と言いましたが、「反ワク」という言葉は、その先の検証や議論を完全に閉ざしてしまいます。
ある日の撮影現場で、福島医師や他の医師らが「反ワク」という言葉についてざっくばらんに話し合っているのを見ながら、「あぁこういう場面を撮るために取材をスタートしたのだ」という気持ちになりました。多くの人たちには聞こえて来ない会話ですよね。
日本人の平均寿命は2021年を境に短くなった

©「ヒポクラテスの盲点」製作委員会
自分自身が知りたかった
“反ワク”という言葉が遠ざけてしまうもの

大西隼監督
ライター、合同会社インディペンデントフィルム代表社員。阪南大学経済学部非常勤講師、行政書士。早稲田大学法学部卒業。行政書士としてクリエイターや起業家のサポートをする傍ら、映画、電子書籍製作にも関わる。
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『ヒポクラテスの盲点』
企画・監督・編集:大西隼 撮影:井上裕太 音楽:畑中正人 CG:高野善政 プロデューサー:杉田浩光 杉本友昭 大西隼
出演:福島雅典(京都大学名誉教授) 藤沢明徳(ほんべつ循環器内科クリニック理事長) 児玉慎一郎(医療法人社団それいゆ会理事長) 上田潤 大脇幸志郎 上島有加里 宜保美紀 佐野栄紀 新田剛 楊井人文
製作:「ヒポクラテスの盲点」製作委員会 制作・配給:テレビマンユニオン
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(日本映画製作支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
2025年/日本/110分/ステレオ/16:9 (C)「ヒポクラテスの盲点」製作委員会
企画・監督・編集:大西隼 撮影:井上裕太 音楽:畑中正人 CG:高野善政 プロデューサー:杉田浩光 杉本友昭 大西隼
出演:福島雅典(京都大学名誉教授) 藤沢明徳(ほんべつ循環器内科クリニック理事長) 児玉慎一郎(医療法人社団それいゆ会理事長) 上田潤 大脇幸志郎 上島有加里 宜保美紀 佐野栄紀 新田剛 楊井人文
製作:「ヒポクラテスの盲点」製作委員会 制作・配給:テレビマンユニオン
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(日本映画製作支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
2025年/日本/110分/ステレオ/16:9 (C)「ヒポクラテスの盲点」製作委員会
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