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「後頭部を脚でがっと蹴られた」カラスに3回も襲われた男性の恐怖体験。軽傷でも流血に至る場合も

 ’25年8月、北海道・羅臼岳で登山者が熊に襲われ死亡した事件は全国を震撼させた。これから行楽シーズンを迎えるだけに、誰もが危険な野生動物と遭遇する可能性はある。九死に一生を得た人々から、緊迫の体験談を聞いた。

カラスから3回の襲撃

[危険動物と遭遇]のリアル 危険なのは熊や猪といった巨獣だけではない。街中や観光先で出くわす“身近な小型動物”も、時に命を脅かす存在となる。 「草花を撮影しようと早朝の都内公園を歩いていたときです。やけにカラスが多く、頭上を旋回しながら威嚇してきたんです」  そう話すのは、カメラマンの田代正樹さん。  カラス繁殖期の4〜7月頃は子供を守るために警戒心が高まり、攻撃的になる。そして、田代さんが公衆トイレに向かったときだった。 「突然、背後にバッサバッサと翼の音が聞こえ、耳の後ろあたりに羽の風圧を感じた瞬間、後頭部を脚でがっと蹴られた。不意打ちだったので思わず『ぎゃっ』と声を上げてしまいました」  羽を広げると1mにはなろうかという黒々としたハシブトガラスだった。背後から急襲するのが特徴で、軽傷でも流血に至る場合も多い。
[危険動物と遭遇]のリアル

今回は3回攻撃を食らったが、カラスに襲われること自体も3回目という田代さん。目をつけられやすいタイプなのか

 すぐに頭に両手をのせてしゃがみこむと、戻ってきて再度後頭部に蹴りを、その後も肩をつつかれ、計3回の攻撃を受けた。 「うっかり巣に近づいてしまい、親ガラスから不審者認定されたのだと思います。狙われている間は恐怖と絶望感でパニックになりました」  また、田代さんは小柄なため「要は体格で舐められたんですね」という。

タイの野良犬に追われリアルに“死”を覚悟

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タイの「ソイ・ドッグ」。首都バンコクでは近年、保護が行われているが地方ではまだ放置されているケースが多いという

 海外の、動物が管理されていない区域も要注意だ。数年前、タイの地方都市に友人とともに旅行していた高橋慎吾さん。  夜、宿に戻るメイン通りから外れたソイ(※タイ語で小道の意)で異様な唸り声に包まれた。気づくと20〜30匹の野良犬、いわゆる「ソイ・ドッグ」に囲まれていた。 「昼間も宿周辺に数匹はいましたが、夜中は大群に……。目が闇の中でギラついていて、本当に死を覚悟しました」  狂犬病の致死率はほぼ100%とされるが、高橋さんらは予防ワクチンを打ってなく、狂犬病にかかった犬に噛まれれば命を失う可能性があった。 「逃げるぞ!」  高橋さんらが元いた大通りのほうに駆け出した瞬間、群れから2、3匹が前へ飛び出し、後方から群れが続いた。  暗闇で方向感覚が狂い、舗装のされていない道と恐怖感で足がもつれそうになりながらも、大通りへ飛び出すと、犬たちはそれ以上追いかけてこなくなった。群れは背後5m近くまで迫っていたという。 「犬たちは昼間は暑くてグッタリしていたので、油断していました」  後に振り返れば、群れが形成される兆しはあった。犬たちは夕暮れに頭をもたげ、ソイへ集まり始めるのだ。 「その時点でルートを変えるべきだった。人間の判断なんて、とっさには間に合わないんです」と高橋さんは語る。
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遅効性の毒を持つ蛇、ヤマカガシには要注意
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