FIREしたのに「幸せに見えない」人たち。43歳早期リタイアの投資家が語る“残酷な現実”
「会社を辞めて自由に生きる」。そんな甘美な言葉に引き寄せられるように、ここ数年で一気に広まったのが「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」という生き方だ。資産運用による収入だけで生活し、定年を待たずに仕事から“解放”されるーーSNSや書籍では成功談が溢れ、「FIRE=勝ち組」というイメージだけが独り歩きしている。
だが一方で、FIREしたはずなのに不安そうな人、再び会社勤めに戻る人も少なくない。東京23区の中古ワンルームマンション中心に不動産投資を展開する個人投資家・村野博基氏は、2019年にFIREをしている。『戦わずして勝つ 不動産投資30の鉄則』(扶桑社刊)もある村野氏から見た「FIREに失敗する人」の特徴とは。
資産運用で得た収入だけで生活できるようになり、定年を待たずに早期リタイアするライフスタイルである「FIRE」。私自身も元々は勤め人でしたが、2019年に43歳でFIREをしています。
周囲に目を向けると、あちらこちらでFIREを達成した人は多い模様。しかし、仕事は辞めたものの、もう一度就職するという「卒FIRE」の例も同様に見聞きします。FIREしたからといっても、みなが順調に幸せな生活を続けている状況ではないようです。
FIREをしても幸せそうには見えなかったり、再度勤め人に戻る人の傾向は大きく分けて二つでしょう。一方は資産を食いつぶしていく不安などから「稼ぐ必要がある人」、もう片方は毎日ぼーっと生きてるのがつまらないなど「仕事に戻りたい人」です。私からすれば、いずれのケースも残念ながら本当の意味でFIREしたわけではなく、単に「今の会社を辞めた」というだけだと思っています。
そもそも、FIREの前提は「経済的な自由を手に入れること」です。資産を食い潰すような状況に陥れば、経済的な自由はどこに行ったのでしょう? そんな状況で「FIREを達成」と宣言するのは、なかなかに恥ずかしい話のような気がします。
では「経済的な自由」とは何でしょうか? 私は(1)収入が支出を上回る状態が、(2)自身の自由な意志で実現できていること、と考えています。「欲しいモノ」「やりたいこと」があっても、それを実行すれば支出が増えて収入を上回り、ゆくゆく資産を食い潰すのであれば、破産しないようにやりたいことを制限する必要があります。それは自由とは言えないでしょう。
毎月の給与の範囲内でやりたい事が出来ていれば、それは(1)の「収入より支出が多い」という状態は達成しています。一方で勤め人ならば、自分の自由な意志は制限されるので(2)の状態は満たしていません。例えば、勤め人が「会社の方針に逆らう」や「上司の指示を聞かない」など、自分の好き勝手に振る舞っていたら、クビになっても文句は言えないです。勤め人は他人に雇われている存在であり、雇い主の意向には沿わなければなりません。これでは「収入−支出がプラス」の状態が自分の自由な意志で実現できているわけではないのです。もっとも、勤め人でも好き勝手できる立場であれば、「経済的な自由」を手に入れたも同然です。

画像はイメージです
FIREしたのに「幸せに見えない」人たち
「経済的自由」とは“貯金額”の話じゃない
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1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち19区に計38戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。著書に『戦わずして勝つ 不動産投資30の鉄則』(扶桑社)、『43歳で「FIRE」を実現したボクの“無敵"不動産投資法』(アーク出版)
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