40代で働くのをやめたい…繰り返しの毎日がツラい会社員26歳の悩み
― 連載「佐藤優のインテリジェンス人生相談」―
“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
★相談者★名もなき社会人(ペンネーム) 会社員 男性 26歳
朝7時に起きて8時半に会社に行って19~20時ぐらいまで働いて電車に30分揺られて自宅に帰る。これの繰り返しをいつまで続ければいいのだろう? とふと考えます。この先、何十年も同じ日を繰り返すのかと考えると死にたくなります。
別に仕事について楽しいもつまらないもありません。ただ生きていくために働いているだけです。趣味など特にありませんが、30代でアーリーリタイアメントして、悠々自適な暮らしがしたいです。年収400万円ちょっとなので難しいかもしれませんが、遅くとも40代で働くのをやめたいです。そういう生き方を選ぶことは可能でしょうか? もし方法があれば知りたいです。
◆佐藤優の回答
30代でアーリーリタイアメントして、40代で働くのを完全にやめて、悠々自適の生活をするというプランを実現する唯一の方法は、起業して成功することです。これは、現在のアメリカの若者の間で理想とされる生き方ですが、その起源はそう古くありません。’80年代のレーガン政権時代からです。コロンビア大学歴史学部のマーク・リラ教授が興味深い指摘をしています。
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レーガンはこうしたことはすべて無視した。国民が、家族が自分のこと――特にビジネス――に懸命に取り組んでさえいれば、暮らしは自然に良くなる、と彼は約束した。アメリカには新たな種類の英雄が誕生した。
「起業家」だ。起業家をある種の神のように崇拝する風潮は一九八○年代に生まれた。起業家になることが、出世への早道であるとされた。アイデアとガレージと、ちょっとした道具さえあれば、誰もが起業家になり成功を収める可能性がある、そんな夢が人々にもたらされた。起業家に道徳的であることは求められなかったので、その点でも楽だった。
もちろん、アメリカ人は昔から起業家精神に富む人々だったし、裕福になることは素晴らしいと考えられてきたことも事実だ。ただ、とうに忘れられてしまっているが、かつてアメリカで主流を成していたカルバン主義の考え方では、裕福になるのは道徳的価値の高い人であるとされていた。
強い克己心と自制心を持った人が努力を重ねるから裕福になれるとされた。常に貧欲にナンバーワンを目指す態度が重要とされることはなかった
(『リベラル再生宣言』48頁)。
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起業に成功して、1兆円以上の資産を持つような人も生まれてきました。しかし、それは数百万人に1人の割合です。1人の成功者の陰には失敗して惨めな思いをした多くの人がいます。
遅くとも40代で働くのをやめたいです
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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