「休むのが下手な70歳って、あまり聞かない」漫画家・まんきつが辿り着いた、罪悪感を手放す“ご機嫌な”休み方
「私はサボるのが……、いや、休むのが上手いんですよ」
そう語るのは、漫画家のまんきつさん。アルコール依存症の実体験を赤裸々に描いた『アル中ワンダーランド』(扶桑社)や、体当たりの美容エッセイ『そうです、私が美容バカです。』(マガジンハウス)で大きな反響を呼んできた。そんな彼女が、次に選んだテーマは「休み方」だ。
試行錯誤の末にたどり着いた、まんきつさんなりの「休む」哲学とは何なのか。新連載『何もしないをしに行く日』(マンガSPA!)の開始を記念し、その真意を聞いた。
【試し読み】⇒『何もしないをしに行く日』第1話「休息を忘れた人たちへ」
──『そうです、私が美容バカです。』の連載が一段落した後、本当は漫画をお休みする予定だったそうですね。
まんきつさん(以下、まんきつ):2025年夏、連載がひと区切りを迎えたとき 「1年くらいは締め切りから解放されて、のんびり過ごそう」と決めていたんです。いっそ漫画以外のアルバイトでも始めようかと思っていたタイミングで、扶桑社・担当編集の高石さんから「連載しませんか」とお声がけいただいて。
──もし連載の話がなかったら、どんなアルバイトを?
まんきつ:よく行くスーパーに、すごく気さくで魅力的な女性店員さんがいたんです。雰囲気が「インリン・オブ・ジョイトイ」さんみたいな。お年寄りから若い子まで、みんな彼女と親しげに話していて。その人に興味が湧いて。というより、なぜかその人がレジに立っていると、ふらふらと吸い寄せられるようにその列に並んでしまうんです。もう少し話してみたい、どんな人なんだろうと知りたくなって。 同じスーパーに履歴書を送ろうとしていました。
でも、彼女は異動したのか、レジで見かけなくなってしまって。それで働く動機が消えてしまいました……。ちょうどそのタイミングで、新連載が入ってきた感じです。
──今回の新連載は「休む」がテーマです。まんきつさんの考える「休むのが上手い人」とは、どんな人でしょう。
まんきつ:「休み」って、本来は生産性がないものですよね。だから「生産性がない=悪いこと」と捉えていると、休むのが下手になってしまう。「何もしないという贅沢を味わっているんだ」とポジティブに変換できる人は、休むのが上手だと思います。極端な話、一日中、なんとなく床に転がっていても自分を否定しない。「アホになれる人」こそが、上手に休める人ではないでしょうか。
──ご自身は、「生産性のなさ」を満喫できるタイプですか?
まんきつ:もちろん、ものすごい罪悪感はありますよ(笑)。でも、休むと決めたら効率なんて一切考えません。平気で15時間くらい寝る日もありますし、一日中、犬の寝顔を眺めていても苦じゃない。「年をとると長く眠れなくなる」なんて言いますが、私は全然そんなことなくて。
とはいえ、どこかで「これでいいのか?」と思うことはあります。 罪悪感に勝てたら、もうそれだけで十分です。休みはだいたい成功だと思います。
──休むことに罪悪感がある人でも、慣れれば休めるようになると。
まんきつ:なると思います。寝てしまえば何も考えずに済みますから。罪悪感を忘れるためにも、まずはお風呂に入ってしっかり寝てほしい。私自身、今はもう「寝すぎた!」と後悔することもなくなりました。というのも、本当にたくさん寝ると、翌朝の肌の状態が全然違うんです。びっくりするくらい違う。美容漫画をやっているので、寝ることを半ば免罪符にしている部分もありますけど 。
試行錯誤の末にたどり着いた、まんきつさんなりの「休む」哲学とは何なのか。新連載『何もしないをしに行く日』(マンガSPA!)の開始を記念し、その真意を聞いた。
【試し読み】⇒『何もしないをしに行く日』第1話「休息を忘れた人たちへ」

『何もしないをしに行く日』マンガSPA!で連載中
「休む」をテーマに新連載。漫画家まんきつが語る、何もしない贅沢
「アホになれる人」は休み上手。罪悪感に勝てたら成功
1
2
【試し読み】⇒『何もしないをしに行く日』第1話「休息を忘れた人たちへ」
【関連キーワードから記事を探す】
「休むこと」がいつの間にか“ノルマ”になっていませんか?――漫画家・まんきつが“休み下手”な現代人にサウナを勧める理由
「休むのが下手な70歳って、あまり聞かない」漫画家・まんきつが辿り着いた、罪悪感を手放す“ご機嫌な”休み方
「言葉はホモサピエンスに与えられた能力ですよ!?」 漫画家・にくまん子が語る、「好き」を言わない相手への“違和感”
「ペンネーム選びは慎重に」漫画家・にくまん子が語る10年越しの本音。かつての“衝撃の活動名”と顔出しを止めた理由
国税最強部隊“コメ”が今、密かに狙う「儲かるビジネス」。『おコメの女』監修の元国税が暴露
<漫画>「テメェのほうが迷惑だろ!」満員のバスで赤ちゃんを怒鳴る“迷惑老人”…隣にいたイカつい男性が放った「痛快すぎる一言」
「食事中のスマホ禁止」ラーメン屋店主の“見間違え”で注意された男性客。“無実の罪”に反論した結果…<漫画>
「休むこと」がいつの間にか“ノルマ”になっていませんか?――漫画家・まんきつが“休み下手”な現代人にサウナを勧める理由
「休むのが下手な70歳って、あまり聞かない」漫画家・まんきつが辿り着いた、罪悪感を手放す“ご機嫌な”休み方
「言葉はホモサピエンスに与えられた能力ですよ!?」 漫画家・にくまん子が語る、「好き」を言わない相手への“違和感”
夫婦で漫画家。売れっ子の妻とは反対に、夫は…それでも二人は一緒に生きる/『毎日、病んでます』第1話
41歳独身、自らを「汚物」と蔑む営業マンの日々を追う/『シジュウカラの鳴く頃に』第1話
突然、「希少がん」にかかった母の看病と祖母の介護をすることに…『しもてく一家 〜ガン、介護、発達障害!ポンコツ三世代修羅場日記〜』第1話/沖田×華
嘘が大嫌いな男が、虚構の街・歌舞伎町でホストに!?/『ガラクタの花道』第1話
渋谷のとある恋愛スポット、それは慰霊碑だった!/漫画『彼女は石碑と夢を見る』第1話
この記者は、他にもこんな記事を書いています




