投手・大谷翔平は「完全復活」、佐々木朗希と今井達也は伸び悩み…主な日本人投手5人の前半戦で分かれた明暗
オールスターブレークが明け、メジャーリーグの後半戦が始まった。前回は主な日本人打者5人を取り上げたが、今回は投手編。今季登板した日本人投手9人のうち、先発を中心に注目を集めた5人の前半戦を振り返りたい。
大谷とは違う形でドジャース先発陣を支えたのが山本由伸だった。
17試合に先発して9勝6敗、防御率2.85。110回2/3で106三振を奪い、WHIPは0.91だった。前半戦最後の登板こそ6失点を喫したが、それまでの安定感が一度の炎上で消えるわけではない。
圧巻だったのは、現地時間6月13日(以下同)のホワイトソックス戦だ。8回2死まで一人の走者も許さず、完全試合まであと4人。失策で完全試合は消えたものの、9回先頭に本塁打を浴びるまで無安打投球を続けた。
山本の強みは派手な快投だけではない。球速だけに頼らず、制球と球種の組み合わせで狙いを外す。調子が万全でなくても試合を大きく壊さないから、先発として計算できる。
前半戦終了時点ではサイ・ヤング賞争いの中心からやや後退した。それでも後半戦に防御率を2点台前半まで戻せれば、再び有力候補へ浮上する余地はある。
前半戦の9勝は、昨季記録した自己最多12勝まであと3勝。自己最多更新に加え、賞レースへどこまで戻れるかも見どころとなる。
チームメートの佐々木朗希の前半戦は、山本とは正反対だった。良い時は派手でも、悪い時に踏みとどまれない。
春先は制球が定まらなかったが、5月以降は長いイニングを投げる試合が増えた。一時は、ようやくメジャーのマウンドに慣れてきたようにも見えた。
上昇局面の頂点が6月5日のエンゼルス戦だった。7回2安打無失点、自己最多10奪三振。直球も100マイル前後を繰り返し計測し、本来の投球を披露した。
だが、その状態は続かなかった。前半戦終盤には再び制球を乱し、甘く入った球を痛打された。一度は上昇気流に乗りながら、春先と同じ課題へ戻ってしまった印象だ。
前半戦は16試合に先発して3勝5敗、防御率5.33。球威は通用しても、ストライクゾーン内で勝負できなければ、その強みも生きない。
必要なのは最高の球を増やすことではない。調子が悪い日でも四球を抑え、5回、6回まで試合を壊さずに運ぶことだ。好投時の天井より、不調時の床を引き上げられるか。後半戦はそこに尽きる。
完全復活した「投手・大谷翔平」
打者・大谷翔平(ドジャース)については、OPS.952でも「期待ほど伸びなかった」と辛口に評価した。だが、投手・大谷は全くの別物だった。 14試合に先発して8勝2敗、防御率1.79。85回2/3で95三振を奪い、WHIPは0.95だった。右肘手術から復帰した昨季は短いイニングから慎重に登板を重ねたが、今季は開幕からローテーションの一角を担った。 最初の10先発は61回で自責点わずか5、防御率0.74。復帰できるかどうかを心配する段階は終わり、リーグを代表する先発投手として、再び打者を圧倒していた。 しかも、打者としてもほぼ毎日出場している。二刀流へ戻るだけでも難しいはずなのに、投手として8勝、防御率1点台。期待以上という言葉でも足りないほどだった。 もっとも、前半戦の最後まで同じ勢いが続いたわけではない。 最後の4先発は24回2/3で12自責点。正捕手ウィル・スミスが不在となった時期とも重なり、若手捕手ダルトン・ラッシングとのバッテリーにも注目が集まった。ただし、捕手交代だけを成績低下の原因と決めつけるのは早い。 大谷にとって後半戦は、この“バッテリー問題”が焦点となる。誰が捕手を務めるにせよ、春先のテンポを取り戻して再び上昇気流に乗りたいところだろう。Today’s Photo of the Game presented by Daiso. pic.twitter.com/91lxSVj5o0
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) June 17, 2026
エースの貫禄を見せつける山本由伸
佐々木朗希は才能を証明も、不安定さが最後まで課題…
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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