「ステマは何も残らない」65億PVサイト運営者・光山一樹氏

月間ページビューが最高65億、想定ユニークユーザー数900万人という女性向けモバイルブログサイト「DECOLOG」。アクセスランキング1位の女の子のブログは、一日に100万ページビューほどで、一般的な芸能人が全く敵わない程のアクセス数となっている。また、彼女のスタイルブックを出したところ、初版1万部に加えて一週間で3000部の増刷がかかったとこのこと。しかし、それだけ影響力が出てくるとやはりでてくるのは“ステマ問題”。そこで、DECOLOGを運営するミツバチワークスの代表・光山一樹氏に話を伺った。

※前回のインタビューはコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/240111

◆ステマではない方法でお金が入ってくる仕組みを

――すごい人気ですね。

 なので、彼女たちがブログで取り上げた洋服や化粧品が、ユーザーの間ですごく流行ったり、売れたりするんです。当然そこに目をつける悪い人もいます。みんな普段は「○○に遊びに行った」とか「~を食べた」とか、「彼氏と喧嘩して泣いた」とか、「友だちと仲直りした」みたいな内容の日記を書いていて、その「リアルな言動」、「商売っ気のなさ」が人気の秘訣のはずなのに、そういうところに悪い大人がやってきて、ある日突然違うことを書かせたりするんですよね「『コレ塗ったら痩せる』って書いてよ」とか。「この記事からモノが売れたら一個あたり5000円あげるよ」とか。実際に「○○ちゃんが言うならホントだろう!」とメチャクチャ売れてしまうんです。このような業者を締め出すために、僕たちは彼女たちのブログ内での「宣伝行為」を丸ごと禁止しています。

――いわゆるステマ(ステルスマーケティング)問題。

 最近ではそれが何かと問題になっていますよね。僕たちはサービス開始当初から禁止しています。そうやってだますような形で商品を売るのは、買う方だけでは無く、実は売る方にとっても不幸なことなんです。ブロガーの子たちは、モデルやタレントさんと違って何か一芸に秀でているから人気があるわけではないので、実はすごくデリケートな存在なんです。彼女たちはあくまで最初は「普通の日記を書いていたところに人気が出た」という子たちなので、ステマ的な宣伝行為をしちゃうとファンを食いつぶす焼畑農業みたいになってしまいます。

 DECOLOGだと禁止されているのでステマをさせることができないから、業者がスカウトして人気ブロガーを他のサイトに連れて行ってしまうことが何度かありました。メーカーや通販サイト自身は薬事法に引っかかるから書けないような内容をブロガーにかかせるんですよね。

「一週間で10キロ痩せます」「塗ってる指も痩せました」みたいな。そうすると最初はメチャクチャ売れるんですけど、だまされて最初はおすすめされるモノを買っていたファンの子たちも、だんだん気づいてきてしまって、「なんかおかしい」と、どんどん離れていっちゃうんです。1日100万ページビュー以上あった子たちが、半年もたたないうちに10万になり5万になり……最終的に何も残らなかった……というケースも何人もみてきました。

 そして素人の女の子に、そういうことをさせているブログサービス自体もやっぱりユーザーが離れてガタガタになっていきます。ブロガーの価値を損なうことは僕らとしてはうれしくなくて、彼女たちがせっかく培ってきたファンという資産をちゃんと大切にしてほしいと思っています。ファンの子を騙すんじゃなくて、ブロガーたちがちゃんと自分がよいと思ったものをオススメする場所作ったりすることで、経済的なメリットを作ってあげることはできないだろうか?と。彼女たちのブログと、プロモーション活動をする場所をちゃんと分けてあげることで、ステマに手を染め無くてもよいようにできるのでは、と。

 僕たちはブロガープロデュースのつけまつげを作っているんですが、なんでこれを作っているかというと、彼女たちが本当に良いと思ったモノを作って、それが売れたら彼女たちにロイヤリティーが発生する。お金がちゃんと入ってくる仕組みを作ろうと。実際にこのつけまつげは109のPLAZA(旧ソニープラザ)では半年以上の間、売上トップですごく売れています。ブログアクセスランキング1位のmaiちゃんの本の出版や、モデルへのアサイン、商品開発等を通じて、そういう彼女たちの価値だったりブロガーとしての活動を守るようなこともやっています。

――女性限定のフリマ「ガールズフリーマーケット!」もその一環なんでしょうか

ガールズフリーマーケット!,DECOLOG

「ガールズフリーマーケット!」の様子。東京ビッグサイトやマリンメッセ福岡など、会場が大規模化しつつある

 フリマはDECOLOGと一緒で、「参加したい」と思えば参加できるんです。参加したら自分がそこで「主役になれる」ということが大きなポイントなんです。お客さんとして主人公になれるし、店主として主人公になれる。僕らはインターネット的なイベントと呼んでるんですけど。ガールズコレクションのようなファッションショーってTV的なんですよね。ファッションショーは見てる方と見せるほうがパキッと分かれていて「あちら側」には行けないんですよ。DECOLOGのような大きなサイトを持ってイベントをするなら何がいいだろうと考えてたどり着いたのがフリーマーケットだったんです。

 現在、東京大阪名古屋福岡の4箇所でやっていて、今回が5シーズン目です。5シーズン目でやっと黒字になりました。

【3】に続く⇒http://nikkan-spa.jp/240113
65億PVサイト「DECOLOG」が雑誌に進出した理由

<取材・文/藤谷千明>
― 65億PVサイト運営者が見据える業界図 光山一樹インタビュー【2】 ―




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